【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂
第2章 獅子頭連編
兎耳山「さあ!梅ちゃん!俺によこせぇッッ!!!!!!!!!!」
兎耳山の狂気的な雄叫びを合図に、ついに勝負が幕を開けた。
桜や蘇枋の洗練された動きとも全く違う、兎耳山独特のトリッキーで予測不能な動きと闘い方。スピードは凄まじく、瞬きをした瞬間にはすでに次の動作へと移っている。まるで光の軌跡を描くように、絶えず攻撃の角度と間合いが変幻自在に変わっていく。
蘇枋「あんな無茶苦茶な動き…初めて見た…」
桜「……ッッ」
蘇枋「まさに、天然の化け物だね。」
柊「そりゃ、獅子頭連の歴史上 最年少で頭取にまで上り詰めた男だからな。」
「最年少で……頭取に……」
最年少での頭取。
兎耳山の様子から察するに、戦う事が楽しくて仕方がないというのが、彼の純粋な本質なのだろう。ただし、それはあくまで“自分を楽しませてくれる強い相手と戦う時のみ”に限られる。
だからこそ彼は勝利に異常な程こだわり、自分の期待に応えられず敗北した者をゴミのように冷たく切り捨てた。彼なりの「強い組織」「理想の頭取」に対するイメージや執着があったはず。
けれど、組織が大きくなるにつれ、思い描いていた理想と現実の姿はどんどん歪んでいってしまったに違いない。仲間に対する冷淡な態度を見ていると、そんな過去の決定的なすれ違いや出来事があったのではないかと、は胸の内で勝手に想像せずにはいられなかった。
激しい殴り合いを繰り返しながら、優勢と劣勢が目まぐるしく入れ替わる一喜一憂の闘いが繰り広げられる。
戦闘の最中、梅宮は兎耳山に向かって何かを諭すように終始話しかけているが、距離があるせいか具体的な言葉までは聞き取れない。
すると、「梅ちゃんの言ってること、よくわかんないってば!」と苛立ち混じりに叫びながら、兎耳山が梅宮へと飛びかかって行った。
その瞬間。それまで余裕を崩さなかった梅宮の表情がふっと変わり、まるで鬼のような凄まじい形相の右拳が、兎耳山の鼻先を鋭く掠めた。
兎耳山「…………ッッ!」
無傷に思えた兎耳山の鼻からは、大量の鮮血が勢いよく吹き出す。それと同時に、梅宮は一歩も引かず兎耳山の懐へと詰め寄り、その細い首元を大きな手でがっしりと押さえ込みながら、圧倒的な重みのある声で言い放った。
梅宮「そんな事もわからない奴に、俺は100% 負けない。」