• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂

第2章 獅子頭連編


兎耳山「梅ちゃんっっ!!やっと、梅ちゃんと喧嘩できるねっ!!!」
梅宮「…………」

ステージの上では、兎耳山がこれから始まる梅宮とのタイマン勝負を前にして、興奮を抑えきれない様子でぴょんぴょんと飛び跳ねていた。
まるで我が儘を叶えてもらった子供のようにはしゃぐその姿を、梅宮はいつもの温和な表情とは打って変わり、一回りも二回りも低い、底冷えのするような冷徹なトーンで見据えながら、先ほどの十亀との喧嘩を見て「何も感じなかったのか」と静かに問いかけた。

兎耳山「なにが?」
梅宮「そうか……何も感じなかったか」
兎耳山「そんな事より! 梅ちゃんはやっぱりずるいよ!」
梅宮「…………」
兎耳山「風鈴には、強くて面白い奴らがたくさんいる。うちの連中とは大違いだよ。」
「……そんな」
兎耳山「みんなが弱いせいで、俺は自由になれない。こんなの、全然楽しくない。」
十亀「…………」
兎耳山「でも、俺がここで梅ちゃんに勝ったらさ 梅ちゃんも、風鈴も、ちゃんだって、ぜーーーんぶ俺のものだ!!」
梅宮「…………」
兎耳山「やっと……やっとだ。この退屈で仕方のなかった毎日が終わる。」

兎耳山が容赦なく吐き捨てたその身勝手な言葉に、観戦していた獅子頭連の面々から動揺のざわめきが広がっていく。
その瞬間、は心の底から確信した。

(やっぱり、十亀さんは……)

彼はこれまでずっと、自分勝手な兎耳山の暴走をかばい続け、孤独にすべてを背負い込んでいた。組織のみんなのために、自ら進んで泥を被り、汚れ役をかって出ていた。
十亀があんなにも痛々しく、悲しそうな顔を浮かべていた本当の理由は他でもない、その歪んだ純粋さで全てを壊していく兎耳山自身にあったのだと。
/ 103ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp