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【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂

第2章 獅子頭連編


桜「お前は、下がってろ。」
「…うん」

再び十亀に向き直った桜の顔は、先ほどまでの穏やかさから一転し、隠しきれない苛立ちと怒りに満ちていた。

桜「なんなんだよ……最後の…何がギブアップだ。」
「遥君…」

桜も気づいていた。十亀がわざと負けを選んだ事を。
あんなにも正々堂々と闘い抜くはずだった最後に、中途半端な妥協をされたことが、桜には許せなかったのだ。怒りと悔しさが入り混じった苛立ちが、彼の背中からひしひしと伝わってくる。

(でもね、遥君。違うんだよ。十亀さんは……。)

桜「てめぇ、なにわざわざ…」
兎耳山「はーい!お疲れお疲れッ!」

桜の声を遮るように、軽やかな足取りで壇上に上がってきたのは兎耳山丁子だった。十亀が負けたというのに、そのテンションは異常なほど高く、顔には底抜けに明るい笑みさえ浮かべている。

兎耳山「さぁて!梅ちゃんカモン!やーっと俺たちの番だよ!」
桜「おい…ちょっと待て!!俺はまだこいつと…」
兎耳山「ちゃん!あともう少しだからね!」
「え……」
兎耳山「俺が梅ちゃんに勝ったらさぁ。こっちに来る約束だもんね!」
「……っ」
十亀「丁子…もうやめようよ。この喧嘩…俺達に正義なんてない。」
兎耳山「…………」
十亀「俺達が…間違ってたんだ……」
兎耳山「ねぇねぇ。梅ちゃん?。」
十亀「丁子…」


ヒュゴっっっっ!!!!!!


十亀がすがるような声で名前を呼び続けたその瞬間、信じられない光景が目の前で繰り広げられた。突然、跳躍した兎耳山の強烈な回し蹴りが、十亀の側頭部を容赦なく捉えたのだ。

「……え」

ここにいる誰もが、予想外すぎる暴力に息を呑み呆然と立ち尽くす。目の前で行われたあまりの奇行に、瞬きする事さえ忘れ、ただただ圧倒されて固まるしかなかった。
凄まじい勢いで壁際まで吹き飛ばされ、そのまま動かなくなる十亀。脳裏をよぎる最悪の予感に心臓が凍りつき、はいてもたってもいられず、必死の思いで彼の元へと駆け寄った。
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