【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂
第2章 獅子頭連編
十亀「どうしてかなぁ。」
ふっと力なく微笑んだ十亀の瞳の奥が、わずかに揺れた。
「……あたし、十亀さんのこと誤解してました。……でも、薄々気づいてたんです……十亀さんは……きっと……っ……!」
十亀「……ちゃん。」
十亀がわざと敗北を選んだ理由。それはきっと、力の絶対信仰という歪んだルールの向こう側に、これ以上続けるべき意味などないとはっきりと気づいてしまったからだ。桜とのタイマンの中で、自分の本当の気持ちに目を背けられなくなったから。
兎耳山と十亀の間に、どんな過去あったのかはわからない。けれど、彼が今まで冷酷な仮面をかぶり、裏ですべてを背負い続けなければならなかった理由…。そのすべての答えはきっと、兎耳山にある。
十亀は大切な相棒である彼の為に、すべてを飲み込んで悪役になる道を選んだのだ。
十亀「ちゃん……どうして、泣いているの。」
「…十亀さんが……あまりにも優しいから辛かった、ですよね……っ…!」
十亀「……君って、本当に……」
ぽろぽろと零れ落ちる涙を、十亀が切なそうに けれどどこか愛おしげに見つめたその時。
桜「ふざけんなっっっっ!!!!」
背後から伸びてきた力強い腕が、座り込むの肩をすっと抱き寄せ、十亀のそばから無理やり引き離すように距離をとらせた。驚いて振り返ると、そこには鬼気迫る表情の桜が立っていた。しかし、の顔を見た瞬間。彼の険しい顔がふっと緩み、目尻に張り付いていた雫を大きな指先でそっと優しく掬い取ってくれる。
それは、さっきまでの荒々しさが嘘のように、驚くほど優しく柔らかな表情だった。