【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂
第1章 出会い
返ってきたのは、驚くほど穏やかで耳に心地よい柔らかな声だった。
「……大丈夫です。すみません、前をちゃんと見ていなくて」
「鼻、大丈夫? 少し赤くなってる」
そう言って、彼はの鼻先を指先でそっと撫でるように触れた。 あまりに自然でスマートな動作に心臓が跳ねる。顔を上げると そこには不思議な風貌の少年が立っていた。 怪我をしているのだろうか 右目には黒い眼帯。制服の下にはチャイナテイストのシャツを覗かせ、それが彼の涼しげな顔立ちに驚くほど似合っている。
「君、風鈴高校の生徒?」
「はい! 今日が入学式なんです」
「入学式かぁ。それなら、君は俺と一緒だね」
「え、あなたも一年生なんですか?」
問いかけると 彼は優しく目を細めて微笑んだ。
「うん。俺も今日から一年生。よろしくね。えっと…名前は?」
「あ、椿と申します。」
蘇枋 「ちゃんか。俺は蘇枋隼飛。改めてよろしく」
「よろしくお願いします。蘇枋君」
蘇枋隼飛。
その名前すら どこか古風で気品があるように感じられた。
蘇枋「もうそろそろ、式の時間だよね。もし良かったら、学校まで一緒に行く?」
「はい!是非!」
これから始まるのは喧嘩自慢が集まる荒くれ者の入学式のはずだ。 けれど、風鈴高校のイメージからは程遠い、眉目秀麗で物腰柔らかな彼と肩を並べて歩いているとまるで穏やかな春の散歩道を行くような不思議な心地よさに包まれていた。