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【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂

第2章 獅子頭連編


「こんな所に一人でいたら危ないよ。」

背後から不意にかけられた静かな声に、は反射的にびくりと肩を震わせて振り返った。そこに立っていたのは、先程まで劇場内で横たわっていたはずの彼だった。

「佐狐君…もう歩いて大丈夫なんですか?」
佐狐「うん。」
「よかった…」

柊との激しい激闘を繰り広げたあと、気を失っていたはずの佐狐。彼の身体を心配していただったが、平然と歩いている姿を見て、は胸を撫で下ろした。

佐狐「これ、ありがとう。」

静かな声とともに差し出されたのは、意識を失った彼の体にそっとかけてあげたのカーディガンだった。

佐狐「ごめん。汚したままで。」
「気にしないでください。大丈夫です。」
佐狐「あ……」

パラパラと冷たい雨粒が降り注ぎ、乾いていたアスファルトの色を変えていく。あんなに眩しく輝いていた太陽は何処へ。今はスッキリしない今日のタイマン勝負を映すかのように、空一面が重苦しい灰色の雲に覆われていた。冷たい春の風が二人の間を吹き抜け、は寒さに思わず身体がぶるっと小さく震えた。

佐狐「……着て。」

小さな震えに気づいたのか、佐狐は自分が羽織っていた獅子頭連のジャケットをそっと脱ぎ、の肩に優しくかけた。

「ありがとうございます。」
佐狐「君は、大丈夫なの?」
「え?」

前に伸びてきた綺麗な指先が、の目尻にそっと触れる。驚いて息を呑むに、佐狐は残っていた涙の雫を優しく拭い取ってくれた。

佐狐「本当はこういうの 嫌いなんだろ。」
「……」

佐狐の静かな瞳に射抜かれ、は言葉を失う。

佐狐「それに、ここが獅子頭連のシマだってこと、ちゃんとわかってる?」

ハッと息が詰まる。あの時は、十亀君の非道な態度に怒りが抑えきれなくて、ただ反射的に飛び出してきてしまったが、ここは他でもない獅子頭連の完全な縄張りだ。非力な人間が一人でフラフラと歩いていていい場所ではない。あまりの軽率すぎた自分の行動に、は恥ずかしさで俯いた顔を上げることができなかった。
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