【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂
第2章 獅子頭連編
― 桜と十亀 ―
互いの視線がぶつかり合ったその瞬間。十亀が一気に距離を詰め、腕を絡め取るようにして桜の体を床へと押し倒す。それと同時に、十亀の拳が容赦なく顔面めがけて振り下ろされるが、桜は間一髪のところでそれを紙一重でかわした。
楡井「はやっ……!!」
「目で…追えない……」
瞬きをするのも惜しいほどの超接近戦。何発もの打撃が次々と交錯し、その凄まじいスピードは、目で追うのがやっとだった。
桜「ゆっくりがいいっつーわりには、随分早い動きできんじゃねーか。」
十亀「えー?これで速いのぉ?このスピードで、まだまだ付き合ってもらうからぁ。」
桜「上等だ。とことん付き合ってやるよ!」
鋭い火花を散らす二人の攻防から目が離せなくなるは、は思わず隣に座る蘇枋へと視線を向けた。
「蘇枋君…」
蘇枋「ん? どうしたの、ちゃん。」
「十亀さんが、“力の絶対信仰”を掲げる獅子頭連のメンバーを、あんな風に圧倒して押さえつけていられるのって…」
蘇枋「それだけの圧倒的な力があるってことだね。」
「今まで戦った人達とは、やっぱり別格に見えます…」
梅宮「まぁ、それは今まさに肌で戦っているアイツが、一番感じ取ってると思うけどね。」
梅宮の言葉に頷きかけた、その時だった。
二人の激しい攻防の隙を突き、桜の鋭い蹴りが十亀の頚部へと鮮やかにヒットした。"決まった!"誰もが心の中でそう叫んだのも束の間、十亀は驚異的な反応速度で瞬時に体勢を立て直す。
十亀「オセロ君さぁ……あのトンネルで、俺のこと『ダサい』って言ったよねぇ。」
呟きと同時に、十亀は桜の足首を掴み、そのまま容赦なく床へと叩きつけた。さらに、投げ倒した桜の顔面めがけて、下駄を履いた足を容赦なく振り下ろす。
十亀「ほんと、イライラしたよぉ。その生意気な喋り方といいさぁ。」
桜「くっ……!」
下からの体勢のまま、十亀の腹部へ飛び込んで抱え込もうと試みる桜だったが、十亀はその動きを軽くいなし、反対に桜の顔面を床へと思い切り叩きつけた。
目を覆いたくなるような容赦ない攻撃。鈍い打撃音、桜の苦しげな呻き声、そして会場を埋め尽くす獅子頭連からの心無いヤジ。どんどん血まみれになっていく桜の姿に、はまともに目を向けていられなくなった。