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【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂

第2章 獅子頭連編


蘇枋「へぇー、そんな事があったんだ。」
「はい。名前も連絡先も聞くの忘れちゃって……ずっと、お礼言いたかったんです。」

は胸元に手を当て、少し切なそうに微笑んだ。

楡井「獅子頭連にも、そういう人いるんですね…」
「…今は、話しかけれるような雰囲気じゃないので、あとでお礼言いに行きます。」
桜「何が礼だよ。向こうが好きでやったことなんだから、礼なんかいいだろ。」
「…だめ」

桜の言葉に、は頑なに首を横に振った。

桜「まあ、勝手にしたらいいんじゃねぇの?」
蘇枋「彼はそれどころじゃなさそうだしね。」

蘇枋が静かに視線を向ける先。戦場のような張り詰めた空気の中、佐狐の端正な横顔はひときわ異彩を放っている。あの時カフェで間近に見た時も思ったけれど、本当に綺麗な顔をしている。やがて、下を向いていた彼がふと顔を上げ、チラッとこちらに視線を送った。

(あ……)

が小さく息を呑み 軽く会釈をすると、彼は少し驚いたような表情を見せたあと、静かに会釈を返してくれた。

(もしかして……気づいてくれてる?)

そう胸が高鳴ったのも束の間。佐狐は次のステージへと向かう流れの中で、ふっと歩を緩める。真っ直ぐにこちらへ歩いてくると、の目の前でぴたりと立ち止まった。
交錯する視線。言葉はなくとも、空気がピリリと引き締まる。佐狐が何か言いたげな気配を見せたため、はその沈黙を破るように、自らそっと声をかけた。

「あの時は、ありがとうございました。」
佐狐「いや。こちらこそ申し訳なかった。じゃあ、また。」
「はい。」

会話は、ほんの数秒の出来事だった。それでも、脳裏に焼きついたまま離れない。最後の「じゃあ、また」と告げた時のほんの一瞬。佐狐が柔らかく微笑んだように見えたのは気のせいだっただろうか。
の胸の内で、あの日のカフェの香りと、小さな温もりが静かに広がっていった。
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