【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂
第2章 獅子頭連編
「うそだろ…」
「鹿沼、完全に遊ばれてたな…」
「ボロくそじゃねーか…」
「あいつ、いったい誰なんだよ…」
圧倒的な力の差を見せつけられた獅子頭連のメンバー達から、どよめきと戸惑いの声が次々と漏れ始める。
一方、戦いを終えた蘇枋は、まるで散歩でもしてきたかのように涼しい顔で階段を降りてきた。息ひとつ乱れておらず、汗すらかいていない。その完璧な佇まいに、風鈴側もただただ圧倒されるばかりだった。
梅宮「いや〜蘇枋!お前、すっげぇ強いのなっ!!」
蘇枋「いえいえ、そんなことないですよ」
楡井「蘇枋さん!!あれは合気道ですか!?それともカンフーですかっ!?」
蘇枋「うーん、よくわからないな。俺の師匠も独学らしくて、ごちゃまぜらしい。」
楡井「さ、さいですか……って、師匠って誰なんすか!?」
柊「それより、お前も感情的になるんだな。」
蘇枋「いやー、お恥ずかしい。普段はあんな事ないんですが、さっきはちょっと桜君に当てられてしまって…」
桜「…って、人のせいにすんなっ!」
仲間からの賞賛の声。その圧倒的な強さと鮮やかな勝ち様に、誰もが彼を称えている。当の蘇枋も、どこか満更でもなさそうな柔らかい笑みを浮かべていた。桜に至っては、「つぎ 俺とやるときは絶対に手加減なしの本気でやれよ」などと、相変わらず勝気なことを言い出す始末だ。
そんな風に涼しく受け流す蘇枋の姿は、さっきまで壇上で冷徹に相手を追い詰めていた彼とはまるで別人で、いつもの穏やかな彼そのものだった。
「……蘇枋君」
みんなと楽しげに談笑する彼の背中に、はくぐもった声で、ようやく絞り出すように名前を呼んだ。その声に気づいた蘇枋は、ふっと振り返ると、いつもの優しすぎる笑顔を浮かべこちらに向かって歩いてきた。
そして、の目の前まで来ると、大きな手がそっと伸びてきて、頭を数回ポンポンと優しく撫でた。
蘇枋「……ただいま」
「…おかえりなさい。」
いつもの優しい声色と、太陽のような笑顔。その温もりに触れた瞬間、の胸の奥で、小さくトクンッと恋の音が跳ねた気がした。