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【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂

第1章 出会い


「これでいつでも蘇枋君と連絡とれま…あっ、とれるねっ!」

嬉しそうに言い直してはにかむ彼女の姿は、見ているこちらまで胸がくすぐられるほど愛らしかった。

蘇枋「何かあったら、いつでも連絡してね。」
「はいっ! ありがとうございます!」
蘇枋「それと、明日の朝 迎えに来るよ。」
「いいんですか…!?」
蘇枋「うん、俺が迎えに来たいだけだから。気にしないで。」
「わかりました!待ってま…るね!」
蘇枋「うん。待ってて。」

その後、とりとめもない話を30分ほど楽しんでから、蘇枋は彼女の部屋を後にした。
「夜道は危ないから、中で鍵を閉めて待ってて」と言ったのに、彼女は言うことを聞かず、帰っていく蘇枋の姿が見えなくなるまで、開けた窓から顔を出し、一生懸命に手を振り続けた。
出会った頃から、何故か彼女のことが気になって仕方がない。整った容姿に惹かれているわけじゃない。ただ、彼女が纏うあの優しくて柔らかな雰囲気に、どうしようもなく心が引き寄せられてしまうんだ。


――この胸の奥で渦巻く不思議な気持ちの正体は、一体なんなのだろう。


まだ答えの出ない問いを頭の片隅に置きながら、夜風の中を一人歩いていた、その時だった。


ピコンッ――!


静まり返った夜道に、乾いた通知音が響き渡る。足を止め、すぐさまスマホを取り出して画面を確認すると、そこには別れたばかりの彼女からのメッセージが表示されていた。
画面を覗き込んだ蘇枋の目に飛び込んできたのは、驚くような内容でも、用件でもない。ただ、何の変哲もないごく普通の言葉だった。

『気をつけて帰ってね。おやすみなさい🌙』

たったそれだけ。明日また会えるのに、「おやすみ」と告げるだけのたった一言なのに。その文字を見た瞬間、蘇枋の胸はまるで鈴の音が鳴り響くかのように、大きく、激しく、制御できないほどに高鳴り始めた。

恋だとか愛だとか、まだ名前のつかないこの感情が、夜の冷たい空気の中で熱を帯びていく。画面に映る小さな文字を見つめながら、蘇枋は思わず、自分の高鳴る心臓をそっと左手で押さえるのだった。
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