【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂
第1章 出会い
「こっ、とっ、はーーーーーー!!」
賑やかに雑談していた店内に、突如としてけたたましい叫び声が響き渡った。梅宮が猛烈な勢いで戸を蹴飛ばすようにして店に入って来た。ハイテンションな梅宮を、いつもの様子で軽くあしらうことは。どうやら日常茶飯事らしく、その手慣れた距離感にクスリとさせられる。
風鈴の事情に詳しい蘇枋の肩を、ツンツンと突いた。「ん?」と優しく振り返ってくれた彼に、ずっと気になっていた疑問をそっと耳打ちする。
「あの二人、恋人同士ですか?」
その言葉を発した瞬間。喫茶店にいた全員が、口にしていた飲み物を盛大に吹き出した。桜は耳まで真っ赤にして咳き込み、楡井は滝のような汗を流して激しく動揺している。当の蘇枋は面白そうにニコニコと笑い、杉下は無反応を貫いていた。
ことは「もう、。バカ言わないでよ…」
梅宮「そうだ!バカ言うな!彼女なんてチャラついたもんじゃない!」
「……と言いますと?」
梅宮「ことは、俺の妹なんだぞ!」
ことは「それもちげーから!」
「えっ!?嘘なんですか!?」
蘇枋「あはは!ちゃんは本当によく騙されるねぇ。」
ことはの呆れたような、しかしどこか嬉しそうな声が響く。彼女の話によれば、梅宮と同じ養護施設で育った縁があり、年下のことはを梅宮が勝手に「妹」だと自称しているらしい。
桜「ん? 年下? 年上じゃなくて? お前、いくつだよ」
ことは「16。アンタと同じよ」
桜「嘘つけ! 十六にしちゃ老けすぎだろっ! どう見ても二十歳超えて……」
梅宮「……」
その瞬間、室温が数度下がったような気配が走った。ことはの顔は笑っているが、その後背にはドス黒い怒涛のオーラが立ち込めている。完全に彼女の逆鱗、そしてそれを溺愛する梅宮の地雷を華麗に踏み抜いた桜は、冷や汗をダラダラと流して青ざめていた。
(本当に、デリカシーの欠けらもない。子供なんだから)
「梅宮さんは、ことはさんのこと本当に大切に…溺愛してるんですね!」
蘇枋「うん。そうだね、見ていれば分かる通りかな」
呆れと微笑ましさが入り混じる中、梅宮は気を取り直すように咳払いを一つした。そして、数日後に迫った獅子頭連とのチーム対抗タイマン勝負について、桜達へ本格的な作戦と詳細な説明を始めるのだった。