【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂
第1章 出会い
兎耳山「あれ?なんでみんな来てんの?」
その声に桜達が視線を向ければ、いつの間にかグラウンドの一角にはざわざわと黒山の人だかりができていた。数十人にも及ぶ獅子頭連の面々。その中には、不敵な笑みを浮かべた副頭取・十亀条の姿もあった。
十亀「大将が一人でカチコミなんて締まらないでしょうよぉ」
十亀はねっとりとした視線を宙に滑らせひらりと手を挙げて見せた。
十亀「やぁ、オセロ君。久しぶりぃ」
桜「よう。もじゃもじゃ」
緊迫した空気の中 交わされる軽口。しかし、それはすぐに本格的な対立の熱を帯びていく。両勢力が真っ向からぶつかり合う話し合いの果て、行き着いたのは『タイマン勝負』という結論だった。互いに選りすぐりの5名を輩出し、指定された場所で勝負をするという内容。
兎耳山「あっ!当日はその子も連れてきてね!」
突如、兎耳山が悪戯っぽい笑みを貼り付け 背後の影を指し示した。その無邪気な、けれど底の知れない悪意に満ちた指先に、梅宮の眉間が険しく歪む。背筋が凍るような緊張感の中、が息を呑んで硬直した。
兎耳山「それがこっちからの唯一の条件。呑んでくれるよね?」
梅宮「いや、それは…」
「…あたし、行きます」
戸惑う梅宮の言葉を遮るように、は震える拳を強く握り締め真っ直ぐに顔を上げた。その瞳に怯えの色はある。だが、それ以上に強い覚悟が灯っていた。
「皆さんにとってこの勝負は必要な勝負だから。だから、私が行くことが条件なら、私も勝負の場所に一緒に行きます!」
蘇枋「………」
蘇枋は静かに目を伏せ唇を引き結ぶ。桜は苛立たしげに舌打ちを一つこぼし、吐き捨てるように呟いた。
桜「…バカかよ、あいつ」
その声には、危うい決断を下した少女への怒りと、どうしようもない焦燥感が混ざり合っていた。
兎耳山「じゃあ、会えるの楽しみにしてるからねぇ〜!!」
兎耳山は満足げに声を弾ませ、勝利を確信したかのように不敵に笑う。梅宮は歯噛みしながらも、これ以上引き下がる余地のない現実を睨みつけていた。場の空気が極限まで張り詰める中、兎耳山が大きく両手を広げる。
兎耳山「じゃあ、それぞれのチームをかけて…」
殺気と高揚が入り混じるグラウンドに、彼の楽しげな声がどこまでも高く響き渡った。
「目いっぱい楽しんで喧嘩しよう!!」