【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂
第1章 出会い
「………梅ちゃんさん」
――梅ちゃんさん。
そう呼んだ瞬間、梅宮の距離がグッと縮まった。気がつけばは、彼の腕の中にすっぽりと収まってしまっていた。
梅宮「ねぇ。もう一回言ってみて?」
「……梅ちゃんさん」
梅宮「…もう一回」
「梅ちゃんさん」
思いのほか優しく けれど強く抱きしめられ、の両手は行き場を失って宙を彷徨う。袖をぎゅっと握りしめ、耳元に届く梅宮の甘く低い声に耳を傾けることしかできない。けれど、不思議と嫌な感じはしなかった。
梅宮「いい子だ。じゃあ、今度は俺の名前呼んでみて」
「……えっ」
核心に迫ろうとしたその時、二人の間に涼やかな声が割って入った。
蘇枋「その辺にしてもらえますか?」
「蘇枋君…」
蘇枋「桜君が恥ずかしくて、この甘い空気に耐えられないみたいですよ」
桜「うるせぇ! 誰も恥ずかしがってねぇよ!!」
蘇枋「それと。ちゃんが困っているので、そろそろ…」
言葉こそ優しいが、その瞳の奥には確かな圧力が宿っていた。笑っているのに、少しだけ圧迫感を感じた。
梅宮「あははははは!!そーか!!そういうことか!! 悪ぃ悪ぃ!!」
「何がですか?」
柊「お前は知らなくていいことだよ」
「男と男の会話、的な?」
柊「まぁ、そんなとこだ」
梅宮は離れ、蘇枋にニヤリと微笑みかける。対する蘇枋も 今度はいつもの余裕を感じさせる顔で軽く会釈を返した。
その刹那だった。
「たのもーーー!!」
地鳴りのような叫び声が 階下から突き抜けてきた。屋上にいた全員が、弾かれたように校庭を見下ろす。そこに立っていたのは紛れもなく「あの少年」だった。
兎耳山「我は獅子頭連 頭取、兎耳山丁子!!」
爛々と瞳を輝かせ 彼は屋上の頂上を見上げて叫ぶ。
兎耳山「うーめちゃーん!いざ尋常に!しょーぶ!しょーぶ!!しょーぶ!!!」
開戦を告げるその声に、屋上の空気は一瞬で戦場へと塗り替えられた。