【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂
第1章 出会い
梅宮の大きな手がの頭を優しく撫でる。その光景を、桜はどこか複雑な眼差しで見つめていた。そんな周囲の沈黙を破るように、梅宮がパッと顔を輝かせ 景気よく手を叩いた。
梅宮「よし! !」
「はいっ!」
梅宮「特別に俺の事、下の名前で呼ぶことを許可する!!」
「えっ…」
杉下「あ?」
不意の提案に、杉下の喉から地を這うような唸り声が漏れる。
梅宮「その方がいい!うん、絶対いい!!」
「でもっ……さすがにそれは……」
柊「お前が呼ばれてぇだけだろうが!」
柊のもっともなツッコミを 梅宮は全力でスルーした。
梅宮「だってさぁ、男ばっかりの風鈴に、こんなに可愛い子が来たんだぞ!? 俺は心配で、心配でしょうがないのよ!! 分かる!?」
柊「心配なのは分かるが、それと下の名前で呼ばせるのとは、何の関係もなさそうなんだがな…」
梅宮「 ほら!あれだよ!名前で呼んでもらえると、一気に距離が近く感じて、さらに愛着が湧くじゃない!いいよな!?」
「総代をいきなり呼び捨てなんて……それに……」
(杉下くんに殺されそうなんですけど!!)
は隣からの殺気を感じ、冷や汗を流した。
柊「入ってきたばっかりで呼び捨てはハードル高ぇだろ。他の奴らがいる手前もあるし」
梅宮「そうなのぉ? うーんと…じゃあ」
困惑するを余所に、蘇枋はニコニコと楽しそうに事の成り行きを見守り、桜は呆れた顔で貧乏揺すりを繰り返している。
梅宮「梅ちゃんって呼んで!!」
柊「それ、さっきと何が違うんだよ」
梅宮「何って、苗字になってる!」
柊「苗字っていうか、愛称だろ。それ」
蘇枋「名前より、ある意味ハードル高いかもしれませんね。」
蘇枋の言葉に、は「うーん……」と眉を寄せた。
梅宮「ほらほら! 呼んでみて! 梅ちゃーんって!!」
柊「嫌なら呼ぶことねーよ」
蘇枋「うんうん。無理はいけないよ」
もはや公開処刑だ。しかし、は腹を括った。杉下の眼光が怖かったが、ここは言わないと場が収まらないと理解し、は意を決した。