• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂

第1章 出会い


梅宮「そうかそうか!んん!よく言った!! 」

梅宮は、自分より少し背の低い桜の頭を大きな手でわしゃわしゃと撫でた。

梅宮「大通りの話も聞いた。昨日はちゃんをの事も助けてくれた。そんで、今日は笹城を助けてくれた。家族を護ってくれてありがとう。頼もしい弟が増えて、嬉しいよ」
桜「っ……何勝手に兄貴になってんだよ!!」
梅宮「この街にいる奴は、みんな俺の家族だと思ってんだ!」
桜「……んだよ。調子狂う」

毒気を抜かれたように呟く桜を横目に 梅宮はの方を振り返った。

梅宮「あと、そうそう! ちゃん。こっちにおいで」

促されたのは、梅宮のすぐ隣の席だった。杉下からの「なぜお前がそこに」と言わんばかりの視線を感じつつ恐縮しながら梅宮の隣へと移動した。

梅宮「ここ座って!」
「恐縮です…」

何のために 自分は隣に呼ばれたのか。もしかしたら「女の子が来る場所じゃない」と諭されるのかもしれない。あるいは、この町に来た理由を問い詰められるのか。考えれば考えるほど背筋が凍り、は戦々恐々としながら隣に座る梅宮の顔を見上げた。

梅宮「そんなに怯えなくても、取って食おうってんじゃないからさ。安心してよ」
「……はい」
梅宮「遠くからよく来たな。何か困ったことがあったらすぐ俺達に言うんだぞ?俺達はお前の『家族』なんだから。」
「………」
梅宮「なっ?」

その瞬間、不意に視界が歪んだ。ずっと堪えてきたはずだった。人前では絶対に泣かないと弱みは見せないと決めていたのに。「家族」という 今の自分が一番欲しくて、一番失うのが怖かった言葉を投げかけられ
目頭が熱く 痛くなる。はらはらと、堰を切ったように涙が零れ落ちた。やるせない思いと安堵。ぐちゃぐちゃな感情が込み上げて止めようとしても止まらない。

「……ごめんなさい……すぐ 泣き止みます…」
梅宮「泣きたい時は、泣けばいんでないの? 我慢する必要なんて何一つない。辛かったんだな。よく頑張った」

嗚咽を漏らして泣きじゃくるの頭を、梅宮は温かな手でずっとずっと撫で続けてくれていた。この屋上に吹く風はどこまでも優しく凍てついた心を溶かしていくようだった。
/ 103ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp