【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂
第1章 出会い
梅宮「……なるほど、そういうわけね」
戻ってきた梅宮は、それまでの陽気な態度とは一変。穏やかな、けれど全てを包み込むような静謐さを纏って笹城の話に耳を傾けていた。
当の笹城は、大粒の涙を流しながら何度も何度も頭を下げた。今回の件はすべて自分の責任だということ。衝突の火種を作ってしまい申し訳ないということ。その言葉の一つひとつに震えるほどの後悔が滲んでいた。
梅宮「笹木。ありがとな」
笹城「なんで…俺の名前……」
驚きに顔を上げた少年に、梅宮は優しく微笑む。
梅宮「火種になったつーけど、そんなの謝ることでもなんでもねぇよ。あとはお兄ちゃん達に任せなさい!!」
笹城「……はい」
梅宮の力強い言葉に 笹城の肩からようやく力が抜けた。とりあえず、一安心。そう安堵したのも束の間、梅宮の視線がふいにを捉えた。
梅宮「んで、アイツらはどうやって笹城を助けた?ちゃん。」
「わ、わたしですか!?」
まさか自分に話が振られるとは思わず、裏返った変な声が出てしまった。恥ずかしさに顔を伏せながらも、はゆっくりと言葉を絞り出した。
「えっと、二人で相手を…蹴り飛ばしてました……」
梅宮「蹴り飛ばしたぁ!?」
嘘をつくのも違う気がして正直に答えたものの、杉下と桜からの鋭い視線が突き刺さる。けれど、梅宮は一瞬の沈黙のあと、腹の底から大きく笑い出した。
梅宮「そりゃあ!向こうも災難だったなぁ!あはははは!」
桜達は複雑そうな表情で黙り込んでいる。梅宮はひとしきり笑うと、次に桜へと向き直った。
梅宮「それで? 桜が喧嘩売ったのか?」
桜「俺は! アイツらが力の絶対信仰とか言ってるくせに、弱ぇやつボコってんのがダセェから、『ダセェ』って言った……だけ……」
蘇枋「あはは! 全部言っちゃったね!」
桜「笑ってんじゃねぇ!」
図星を突かれた桜が赤くなって怒鳴る。けれど、梅宮の表情はこれ以上ないほど柔らかいものへと変わっていた。