【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂
第1章 出会い
兎耳山「あれぇ?あれあれ?ねぇねぇ亀ちゃん!!フウリンに女の子がいるよ!」
十亀「あぁ。本当にだぁ。眼帯くんの後ろに隠れてるからわかんなかったぁ」
兎耳山「ねぇ君!何年生?名前なんて言うの?」
テンション高く詰め寄られたかと思った次の瞬間。彼の声のトーンがふっと低いトーンへと落ちた。
兎耳山「どうして…君みたいな子が、フウリンにいるの。」
全身に鳥肌が立った。ただの問いかけなのに、その響きには抗いがたい支配的な何かが混ざっている。恐怖心が心の底からせり上がってきて、声が出ない。
「…っと」
兎耳山「ねぇねぇ!聞いてる!?」
「あ………いえ……あの……」
何か返さなければ。早く答えなければ。焦れば焦るほど言葉は喉に詰まり、は震えながら蘇枋の背中にしがみつく事しかできなかった。
蘇枋「あの」
桜「話を戻すようで悪ぃけど、そいつやったのは俺だ」
蘇枋が口を開きかけた瞬間、それを遮るように桜が前へ出た。
桜「話を逸らすな。そいつは関係ねぇだろ。」
桜の鋭い視線が、兎耳山たちの意識をから強引に引き剥がす。
十亀「てゆーか君、喋るの早すぎぃ」
桜「あ?てめぇが遅いだけだろうが」
十亀「聞こえなさ過ぎて……イライラするぅ!!」
十亀の額に、かすかな怒りの筋が浮かぶ。
十亀「よぉし決めた。君はちゃんとした場所で俺が相手するぅ。君の顔、覚えたからぁ」
桜「……ちぇ」
十亀「またね、オセロくん」
十亀はそう言い残すと、踵を返した。兎耳山も名残惜しそうにしながらも、最後にの方を振り返り無邪気に笑った。
兎耳山「ねぇ君!!今度名前聞かせてねー!!」
緊張の糸が切れた瞬間、はその場に崩れ落ちた。
蘇枋「大丈夫?」
「……あ、うん…」
蘇枋「震えてる。」
怖くて、怖くて、仕方なかった。早く震えを止めなきゃ。
蘇枋「もう、大丈夫だから」
不意に、視界が上質な布の質感で覆われた。鼻腔をくすぐる洗練されたお洒落な香り。の頬は、蘇枋の胸元にそっと引き寄せられていた。背中をゆっくりと慈しむように撫でる大きくて温かな手。状況が理解できず、恐る恐る顔を上げると、そこには案じるように彼女を見つめるどこまでも綺麗なすおの顔があった。