【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂
第1章 出会い
「珍しいよね。女の子が風鈴高校に入るなんて」
「…そうですね」
「理由は人それぞれなんだろうけど……俺たちはいつも感謝してるよ。ありがとう。」
店主の温かな言葉に は何かを言いかけたが、結局はただ小さく頷くだけに留めた。その沈黙は、彼女が抱えているであろう言葉にできない「理由」の重さを物語っているようだった。
(……こいつの素性は知らねぇけど)
桜は、たい焼きを頬張る彼女の横顔を盗み見た。
こんな殺伐とした学校に 似つかわしくないほど華奢で守られるべき側の存在。それでもここにいるということは、彼女もまた、自分と同じように「居場所」を求めて流れ着いた 訳ありの迷い子なのかもしれない。
不機嫌そうに鼻を鳴らしながらも、桜は渡されたたい焼きを乱暴に口に押し込んだ。甘い餡子の味が、ささくれ立った心をほんの少しだけ、無理やり解かしていくような気がした。
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ペンキの匂いが残る商店街を歩き 桜達が辿り着いたのは、街の静寂が少しだけ深くなる境界線だった。
「柊さん。ここが商店街の一番端っこですか?」
柊「ああ、そうだ。あのトンネルから先は『獅子頭連』のシマだ」
柊は、目の前に口を開ける薄暗いトンネルを顎で示した。
「獅子頭連?」
柊「力の絶対信仰を掲げているチームだ。ボウフウリンとは折り合いが悪い。間違っても、向こう側には行くなよ」
「はい…」
その警告の重さに、は小さく身を震わせた。柊はそんな私をじっと見つめるとふっと眉間のシワを緩める。
柊「…梅宮がお前に会ったら、こねくり回しそうな感じだな」
「こねくり回す?」
柊「ああ、可愛がりそうってことだ」
言葉の意味が掴めず首を傾げていると、柊は大きな手での頭を数回ポンポンとぶっきらぼうに撫でた。
柊「とりあえず、巻き込まれないように気をつけろ。アイツらと常に一緒に行動するようにして、一人で出歩くな。いいな」
「……はい。」
柊「いい子だ」
蘇枋もそうだが、自分の頭はそんなに撫でやすいのだろうかと 皆に子供扱いされているような、不思議な気恥ずかしさが胸をかすめる。だが、その穏やかな時間は唐突に響いた怒号によって切り裂かれた。