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【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂

第1章 出会い


「あの……ありがとう」

消え入りそうな、けれど真っ直ぐな言葉に、先ほどまで不敵な笑みを浮かべていた少年があからさまに肩を跳ねさせた。

桜「え。オレ……?」
「そう。貴方に礼を言ったの」
桜「ッッッッッ!?」

心底驚いたのか、彼は金縛りにあったように硬直し、顔を真っ赤にして後ずさる。その尋常ではない動揺ぶりに は思わず眉を下げた。

「ごめんなさい…」
桜「なッ! なんで謝んだよ!」
「嫌だったかなって。」
桜「嫌なんて言ってねーだろ! 勘違いすんな!!」

口調は荒く 大声を上げているものの、その瞳には悪意など微塵もなかった。ただどうしていいか分からず、彼の感情が爆発しているだけなのだと気づき は小さく息を吐いた。

「それなら、良かった」
桜「………」

気まずい沈黙が流れる。桜は視線を泳がせていたが、やがての手元を忌々しそうに一瞥した。

桜「大丈夫かよ。その手。」
(なまえ)「…うん、大丈夫」
桜「嘘つけ。ほら、見せてみろよ」

ぶっきらぼうに差し出された彼の手。はその手をじっと見つめ、少しだけ首を傾げた。

「見せたら、痛いの治る?」
桜「それは、知らねぇ」
「じゃあ、見せない」
桜「なんでだよッ!!」

まるで子供のような言い合いに の頬が自然と緩む。
この子、見た目よりもずっと優しいのかもしれない。自分を助けてくれたのだから当然なのだろうが その優しさは、ひどく不器用だった。

桜「…なんだよ」

じっと見つめていたことに気づいたのか桜が不機嫌そうに顔を背ける。

「綺麗だなって」
桜「あ? なにが」
「髪の毛と、瞳の色が」
桜「……ッ、あぁ!? やんのか!?」

威嚇するように身を乗り出す彼に、はを丸くした。

「褒めたつもりなんだけど…」
桜「普通、気色悪がるだろ。こんな見た目してたら。」

自嘲気味に吐き捨てられた言葉。彼がこれまで、どんな視線に晒され
どんな言葉を投げつけられてきたのか。その一端が垣間見えた気がして
(なまえ)は一歩、彼の方へ歩み寄った。拒絶と否定に慣れきってしまったその頑なな心を溶かすように。
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