【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂
第1章 出会い
梅宮「あっ、これだけは言っておかねーとな。お前ら。街を守れ。」
その場の空気が 真空になったかのように張り詰める。
梅宮「俺たちが貰った名前は『防風鈴(ボウフウリン)』。その名に違わず、大切なものを守れ。それが、ここの唯一のルールだ」
「押忍!」という生徒達の地鳴りのような返声。梅宮が目の前にいるわけでもないのに、この圧倒的な一体感は何なのか。強さだけではない、深い信頼がこの街と学校を結びつけている。
「あの……」
蘇枋「ん?」
和やかな余韻が流れる中、は蘇枋の背をツンツンとつついた。蘇枋は優しく微笑み、小さな声で話したい彼女の意図を汲み、目線を合わせるように深く腰を折った。至近距離で耳を傾けてくれる彼に、は囁くように告げた。
話を聞いた蘇枋は楽しそうに頷くと、躊躇なく二人の間へ歩み寄った。そして、桜と杉下の肩の間からひょっこりと顔を覗かせた。
蘇枋「二人とも、仲直りしなくていいの?和解の印に握手でもしたら?」
桜・杉下「はッ!?」
当然、二人は猛反発した。だが、蘇枋の言葉巧みな煽りが始まる。
蘇枋「桜君。てっぺんを目指す君なら、そんなの些末なことだろ?杉下くん。君がクラスメイトに殴りかかったって聞いたら、梅宮さんなんて言うかな?」
桜・杉下「……」
その言葉は二人にとって最大級の「効き目」があったらしい。
互いに不本意極まりない表情を浮かべながらも、ぎこちなく手が差し出された。和解の握手――のはずだが、互いの指が白くなるほど力が込められいがみ合っているようにしか見えなかった。
蘇枋「いいねいいね!青春だね!!」
楡井「何がいいんだろう…」
半ば無理やりの和解ではあったが、それを機にクラスメイトたちが一気に二人へ群がった。ぶっきらぼうに考え込む桜に、みんなが親しげにちょっかいを出しに行く。その光景が微笑ましくて、は思わず笑い声を漏らした。すると、隣にいた蘇枋の手が優しく彼女の頭を撫でた。
蘇枋「君は、笑ってるほうがいい」
「そうですか?」
蘇枋「うん。とても」
相変わらず、彼は何を考えているのか分からない。けれど、彼が向けてくれる言葉や仕草の一つひとつが 気付けば心を解きほぐしている。そんな穏やかな時間を破るように 廊下から新たな怒声が響いた。