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【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂

第1章 出会い


蘇枋「彼方ちゃん。ちょっと顔が近いかな。」
「……あっ」

あまりの至近距離に、は火が出るほど顔を熱くして飛び退いた。綺麗な顔に凡人の顔を近づけてしまった申し訳なさと羞恥心で、頭が真っ白になる。

「あ、ごめんなさい…!」
蘇枋「そんなに謝らないでよ。俺は嬉しかったし、やっぱり君は可愛いね。」
「ありがとう…ございます。」
桜「目の前でイチャつくんじゃねぇ! いつまで手ぇ繋いでんだ、このホラ吹き野郎ッ!!」

桜の怒鳴り声に 二人はようやく繋いでいた手を離した。
 
蘇枋「…あ、いつまでも繋いでてごめんね。」
「いえ、私の方こそ……。ありがとうございました。」

気恥ずかしさを隠すように頭を下げたを横目に、蘇枋の瞳に宿る色がふっと真剣なものへと変わり 声のトーンが一段下がった。

蘇枋「俺のことはそれくらいにして。桜くん、君のことなんだけどさ」

冷徹ささえ感じさせる蘇枋の視線に 桜も野生の勘で即座に睨みをきかせる。一触即発の緊張感。だが、次の瞬間に蘇枋が放ったのは爆弾のような称賛の声だった。

蘇枋「聞いたよ〜!凄いじゃないか!昨日の大通りの喧嘩の立役者なんだろ!?」
桜「ッッ!?」
蘇枋「昨日大通りで多勢力と衝突があったのは知ってるよね? 柊さんたちが駆けつけるより早く、独りで街を守っていたのが、この桜君なんだよー!」

その言葉をきっかけにクラスメイトの好奇の視線が一斉に桜へ集中した。昨日の抗争に巻き込まれたは、彼の獅子奮迅の活躍を直接見たわけではない。けれど、蘇枋の言葉を裏付けるように生徒達が次々と声を上げ始める。
群がる男たちに囲まれ、桜の顔はみるみる朱に染まっていく。怒っているのか 照れているのか判別のつかない表情で彼は必死に視線を泳がせていた。

「でも、なんでまた 街の外からこんなところに来たんだよ」

一人の生徒の問いに 桜は群衆を押し退けるように真っ直ぐに教壇を見据えた。

桜「てっぺん、獲りに来たんだよ。」

その場にいた全員が、耳を疑った。
風鈴高校――超弩級の不良たちの頂点。
それを「独り」で来たばかりの少年が言い放ったのだ。

教室に、冷ややかな驚愕と嵐の予感を含んだ沈黙が降りた。
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