• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂

第1章 出会い


教室の前まで到着すると、先ほどまでの比ではない緊張感が全身に走る。ドアを開けた瞬間、怖い目に遭うのではないか…。その恐怖を少しでも和らげるようには無意識に蘇枋の背後へと身を隠した。

蘇枋「大丈夫?」
「校内の落書きとか見ていたら、少しずつ怖くなってきちゃいました。」
蘇枋 「教室に近づくたびに、俺の手を握る力が強くなっていたから。そうなのかなって思ってたよ。」

彼に言われて初めて気づく。ずっと手を繋いだままだった。けれど、繋がれた手の体温のおかげで、この程度の震えで済んでいる。
(蘇枋くん、ありがとうございます)  
言葉には出さず 心の中で小さくお礼を言った。

蘇枋「じゃあ、入ろうか。」
「はい……」

意を決して、教室へと足を踏み入れる。 その瞬間、全方向から突き刺さるような視線を感じた。それが自分に向けられた品定めなのか、蘇枋君への威嚇なのか。怖くて目を向けることすらできない。
着崩された制服、派手な髪色、耳や顔に光るいくつものピアス。そして何より 全員が癖のように眉間に深いシワを寄せている。威圧的なクラスメイトたちを前に「こんにちは」なんて爽やかな挨拶が通用するはずもなかった。は蘇枋の背中に張り付くようにして、教室の奥へと進んだ。

蘇枋「入学式だっていうのに、机も椅子もぐちゃぐちゃだね」
「……はい」
蘇枋「お目当ての子、まだ来てないみたい。」
「お目当ての子がいるんですか?」
蘇枋「うん。今、商店街で話題の彼だよ。クラス分けを見たら、俺たちと同じだった。」
「商店街で話題の?」

蘇枋君の意味深な呟きに首を傾げた その時だった。

「この学校全体を敵に回したら、どうするんですか!?」

廊下から響いた怒鳴り声に続き教室のドアが勢いよく開け放たれる。

「ふーん。まぁまぁかな。」

入ってきた少年の姿を捉えた瞬間、の表情がぱあっと明るくなった。

「あっ!……遥くんッ!!!」

そこに立っていたのは昨日自分を助けてくれた、白と黒の髪の少年だった。
/ 103ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp