【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂
第1章 出会い
「…風鈴高校って、本当にここ?」
蘇枋「うん。間違いなくここだね。」
隣を歩く蘇枋の返答も どこか遠くに聞こえる。 両親からは詳しい説明もなく「風鈴高校へ入学しろ」とだけ告げられていた。
けれど、いざ蓋を開けてみればどうだろう。 校壁には隙間なくスプレーの落書きが躍り、窓ガラスの向こうからは荒っぽい空気が漏れ出している。どこからどう見ても、不良の巣窟だ。
(……治安、悪すぎない?)
蘇枋「その様子だと、思っていたのとだいぶ違うって感じかな?」
「はい。……とても」
蘇枋 「見た目はこんなだけど、フウリンの人たちは街を守るために集まっているから、根っからの悪い人はいないと思うけどね。」
「…そうなんですかね」
昨日の出来事を思い出せば、その言葉に嘘はないのかもしれない。けれど、視覚から入る情報の威圧感にの心は折れてしまいそうだった。
蘇枋「きっと大丈夫だよ!ちゃん、可愛いし!」
「そういう問題じゃ…」
蘇枋「とりあえずクラス分けを見ようか。」
翻弄されるまま掲示板の前へ向かう。指先で名前を追う蘇枋君が不意に声を弾ませた。
蘇枋「あっ、同じクラスだね!」
「本当だ! よかったぁ……」
見ず知らずの土地。転校初日の学校がヤンキー校。不安にならないわけがない。知り合ったばかりとはいえ、物腰の柔らかな蘇枋が隣にいてくれる事実に、心底救われる思いだった。
蘇枋「同じクラスで嬉しい?」
「はい!一人じゃなくて助かりました!」
蘇枋「じゃあ、行こうか。」
差し出された綺麗な手に最初は驚いた。けれど、の指先は、吸い寄せられるようにその掌を握っていた。