第6章 昔話をしてみようか…
憎珀天の猛攻を、実弥と蜜璃が必死に食い止めていた。
「斗和ッ! まだ見つからねェのかァ!」
「もう少し!」
斗和は周囲を駆け回りながら、炭治郎たちの姿を探す。
その時――。
「炭治郎!」
霞の向こうから、無一郎が駆けてきた。
その手には一本の刀。
「時透くん、それ……!」
「鋼鐵塚さんから借りてきた」
「兄さんから!?」
無一郎は頷くと、炭治郎を見つける。
「炭治郎!!」
「時透さん!」
無一郎は刀を大きく振りかぶった。
「それを使え!」
「えっ!?」
「早く!」
無一郎の手から放たれた刀が、空中を回転しながら飛んでいく。
「うおっ!」
炭治郎が両手で受け止めた。
「これを……!」
「その刀なら、まだ戦える!」
無一郎が叫ぶ。
「行け、炭治郎!」
「はい!」
炭治郎が刀を握り締める。
斗和はその光景を見つめ、胸が熱くなった。
(これも原作通り……)
けれど、完全に同じじゃない。
本来なら、ここに実弥はいない。
自分もいない。
そして――兄の蛍も、今この里で刀を守っている。
「……変わったな」
斗和が呟く。
その瞬間、轟音が響いた。
「斗和ァ!」
実弥の声。
振り向くと、憎珀天の木の竜が斗和へ迫っていた。
「危ねェ!」
実弥が飛び込んでくる。
一閃。
木の竜が真っ二つに斬れた。
「よそ見してんじゃねェ!」
「ごめん!」
「謝る暇があんなら動けェ!」
実弥はそのまま憎珀天へ斬り込む。
蜜璃も続く。
「炭治郎くん! 本体をお願いします!」
「任せてください!」
炭治郎が走り出した。
終わりが近づいている。
斗和は刀を握り直した。
――ここまで来た。
あとは、最後まで守り抜く。
そしてその先に待つ未来を、自分たちの手で掴み取る。