• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

破天荒アラフォーいざ参る!【不死川実弥夢】

第6章 昔話をしてみようか…




実弥が話し終えるまで、斗和は一度も口を挟まなかった。

「…………」

しばらく考えたあと、斗和は静かに口を開く。

「私は……玄弥を止める必要はないと思う」

「……いいのかァ?」

「もちろん、鬼を喰うこと自体は危険だと思う。でも、それだけで玄弥の覚悟まで否定するのは違うんじゃないかな」

斗和は実弥を真っ直ぐ見る。

「玄弥は兄ちゃんに謝りたくて鬼殺隊に入った。でも、それだけじゃない。自分も誰かを守れるようになりたいって思ったから、呼吸が使えなくても諦めなかったんでしょ?」

「…………」

「だったら、実弥ができることは……玄弥が帰ってこられる場所を残しておくことじゃない?」

実弥の目が僅かに揺れた。

「……帰ってこられる場所、か」

「うん。危険なことをしたら怒っていい。でも、突き放しちゃ駄目」

斗和はそこで少しだけ笑った。

「……私も昔、似たようなことしたから」

「は?」

「私が鬼殺隊に入るって言った時、蛍に反対されたんだよ」

実弥が目を見開く。

「お前が……?」

「そう。『危ないからやめろ』って。何度も止められた」

斗和は懐かしそうに目を細める。

「あたしも若かったからさ。兄貴と大喧嘩して……そのまま里を出た。」

「家出みてェなもんか」

「うん。ほとんど家出…もう何年も会ってない…」

苦笑する斗和。

「だから、玄弥の気持ちが全部分かるとは言わない。でも……反対されても、それでも自分で選びたかった気持ちは分かるよ」

実弥は黙っている。

「だから私は、玄弥を止めるより見守る方を勧める」

斗和は実弥の手をそっと握った。

「ただし――死なせないこと。それだけは、兄ちゃんとして約束してあげて」

「…………あァ」

実弥は握られた手を見つめる。

「分かった。俺ァ、あいつを突き放さねェ」

そして小さく息を吐いた。

「……お前にも、そんな頃があったんだなァ」

「あたしだって、昔は結構やんちゃだったんだよ?」

「今もだろォ」

「失礼な!」

二人の間に、ようやく小さな笑いが戻った。
/ 151ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp