第5章 俺の守りたいもの…②
妓夫太郎が鎌を構え、堕姫が帯を広げる。
「チッ……派手に増えやがったな」
宇髄が刀を構えた、その瞬間。
「待って!」
斗和が叫んだ。
「この二人、普通に首を斬っただけじゃ倒せない!」
「何だと?」
炭治郎が驚く。
「堕姫と妓夫太郎――二人の首を、同時に斬らなきゃ駄目!」
「同時ィ!?」
伊之助が叫ぶ。
その横では――
「……すぴー……」
善逸が眠ったまま立っていた。
「善逸……寝てるのに何で動いてんだ!?」
炭治郎が驚く。
「説明はあと!」
斗和が叫ぶ。
「とにかく、二人を同時に斬らないと勝てない!」
宇髄が斗和を睨む。
「……おい、鋼鐵塚」
「何?」
「何でテメェがそんなこと知ってやがる?」
「……」
一瞬、斗和の動きが止まる。
しまった。
「それは――」
「説明しろ」
「あと!」
斗和は即座に刀を構え直した。
「今は説明してる暇ない!」
「テメェ……」
宇髄の目が細くなる。
だが、その瞬間――
「死ねぇぇぇ!!」
妓夫太郎が飛び込んできた。
「来るぞ!」
斗和が叫ぶ。
「炭治郎! 妓夫太郎を頼む!」
「分かった!」
「伊之助! 堕姫の帯!」
「任せろォ!」
「善逸!」
「……すぴー……」
「……寝てるけど頼む!」
「任せろォ!!」
眠ったまま善逸が地面を蹴った。
「何で返事できんの!?」
斗和が思わず叫ぶ。
宇髄が笑う。
「面白ェじゃねぇか!」
二刀を構え、妓夫太郎へ突っ込む。
「派手に行くぜェ!!」
「あたしも行く!」
斗和も駆け出す。
二人の鬼を同時に斬る。
その一点だけを目指して――
戦いの火蓋が切って落とされた。