第5章 俺の守りたいもの…②
「何をしているのかしら?」
障子が開く。
そこに立っていたのは――堕姫。
「……あーあ」
斗和は刀を握った。
「原作じゃ、こんな展開じゃなかったんだけどなぁ……!」
次の瞬間。
抜刀。
「酒の呼吸――!」
一閃。
堕姫の首が宙を舞った。
「……え?」
斗和自身が目を見開く。
「斬れた……?」
その直後、階下から轟音。
「斗和!!」
「鋼鐵塚さん!」
炭治郎、伊之助、そして宇髄が駆け込んでくる。
「何だァ!? もう戦ってんのか!」
「宇髄さん!?」
斗和が振り返った瞬間――
「うわぁぁぁん!!」
床に転がった堕姫が、突然泣き出した。
「首切られちゃったぁぁぁ!!」
「……は?」
斗和が固まる。
堕姫は涙を流しながら叫ぶ。
「おにぃちゃぁぁぁん!!」
その瞬間だった。
堕姫の背中が大きく裂ける。
「……え?」
背中から、異形の男がぬるりと這い出した。
「ったくよぉ……」
妓夫太郎。
細い身体を起こしながら、面倒くさそうに呟く。
「首くらい自分でつけろよなぁぁ〜……」
そして、掴んだ堕姫の首を――
ぐいっ。
元の位置へ戻す。
「ほら」
「おにいちゃん……!」
「泣くんじゃねぇよォ。みっともねぇなぁ」
斗和は刀を構えたまま、目の前の光景を見つめる。
「……原作通り、来た……」
だが。
「いや……待て」
斗和の額に冷や汗が浮かぶ。
「私が先に堕姫の首を斬ってる時点で、もう原作通りじゃないじゃん……!」
宇髄が刀を抜きながら笑う。
「派手に面白ぇことになってきたじゃねぇか!」
炭治郎も構える。
伊之助は叫んだ。
「二匹いるぞォォ!!」
斗和は深く息を吐く。
「……仕方ない」
羽織を翻す。
「ここからは、私の知ってる物語じゃない」
刀を握り直した。
「なら――私のやり方で終わらせる!」