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破天荒アラフォーいざ参る!【不死川実弥夢】

第1章 始まり


斗和のもとに、最悪の知らせが届いた。

「……胡蝶カナエ、殉職」

「……え?」

徳利が手から落ちる。

――来てしまった。

原作で知っていた、カナエが童磨と戦う日。

斗和は急いで現場へ向かった。

しかし、そこにいたのは傷だらけで倒れているカナエと、上弦の弐・童磨。

「カナエさん!」

斗和は駆け寄り、カナエを抱き起こす。

「もう喋らないで! 今、助けるから!」

「……斗和さん……」

カナエは弱々しく微笑む。

「しのぶに……よろしくね……」

「そんなこと言わないで!」

斗和の声が震える。

けれど、カナエの手から静かに力が抜けた。

「……カナエさん?」

返事はない。

そこへ、しのぶが駆けつける。

「姉さん……?」

カナエを抱きしめ、必死に呼びかける。

「姉さん! 目を開けて……!」

そして――

「姉さんッ!!」

しのぶの泣き声が、夜の森に響き渡った。

斗和は拳を握り締める。

原作を知っていた。

それでも――救えなかった。

「……ごめん、カナエさん」

涙が頬を伝う。

そして、ふと実弥の顔が浮かんだ。

以前、カナエに向けていた実弥の柔らかな眼差し。

(実弥……カナエさんが死んだって知ったら、きっと辛いよね)

胸が締めつけられる。

(……やっぱり、私じゃ駄目なのかな)

自分は実弥が好き。

でも、もし実弥がカナエを想っていたのなら、その気持ちを邪魔したくない。

「……好きなのに」

斗和は涙を拭う。

「どうして、こんなに苦しいんだろ」

原作を知っているからこそ、運命を変えることが怖い。

それでも――実弥への想いだけは、どうしても消えてくれなかった。
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