第4章 俺の守りたいもの…
遊郭へ潜入するため、藤の花の家紋の家で化粧を施された斗和たちは、それぞれ別々の店へ売り込まれることになった。
「では、こちらの方から……」
仲介役の女が斗和を見た瞬間、目を輝かせた。
「この子、うちが買います!」
「……は?」
斗和が間の抜けた声を出す。
「ちょ、待て。私、客を取るために来たんじゃ――」
「いいからいいから!」
有無を言わせぬ勢いで腕を引かれ、そのまま一軒の店へ連れて行かれる。
斗和は店の看板を見上げ、固まった。
「……ここ、堕姫がいる店じゃん」
原作知識がある斗和には分かっていた。
ここは、上弦の陸・堕姫が潜んでいる店。
「原作と違う……!」
頭を抱えたくなる斗和だったが、さらに追い打ちが来る。
「この子も一緒にどうです?」
仲介役の女が善逸を指差した。
「えっ、お…あたい!?」
「この子はおまけでいいですよ」
「おまけ!?」
善逸の顔が絶望に染まる。
「ちょっと待ってください! お…あたい、無料なんですか!? 人権は!?」
「黙って働け」
斗和が即答する。
「斗和さんまで!?」
「善逸、潜入任務だ。諦めろ」
「諦められるかァァァ!!」
こうして――。
酔柱・鋼鐵塚斗和は、なぜか堕姫のいる店に気に入られて売られ。
我妻善逸は、ついでにタダで売られた。
「……実弥に知られたら、絶対怒るな」
斗和は遠い目をした。
その頃。
別の店へ向かった炭治郎と伊之助は、まだこの事実を知らなかった。