第4章 俺の守りたいもの…
蝶屋敷。
任務帰りの斗和は、薬を受け取りにたまたま立ち寄っていた。
「アオイちゃん、これ飲まなきゃ駄目?」
「駄目です」
「即答……」
そんなやり取りをしていた、その時。
「見つけたぜェ!」
「……は?」
突然、背後から腕を掴まれた。
「ちょ、何!?」
振り返る。
そこにいたのは、派手な装飾を身につけた男――音柱、宇髄天元。
「お前、俺と来い」
「嫌だけど!?」
「決定事項だ」
「いやいやいや!」
斗和が抵抗する間もなく、宇髄は彼女を担ぎ上げた。
なんなら、実弥にすら触られた事のないお尻を叩かれた。
「ちょっとォォ!? 私、柱なんだけど!?」
「知ってる。だから連れてく」
「理由になってない!」
そのまま屋敷の外へ運ばれていく。
「待って宇髄さん! どこ行くの!?」
「遊郭だ」
「…………は?」
斗和の顔が固まった。
――遊郭。
知っている。
この先、宇髄は炭治郎たちを連れて遊郭へ向かう。
そこで上弦の陸と戦い――。
「……待って」
斗和の背筋が凍る。
(原作と違う)
本来なら、自分はここにいない。
宇髄に連れていかれるのは炭治郎たちのはずだ。
「ちょっと待って! 炭治郎たちは!?」
「知らねェな」
「知らねェって何!?」
「俺は今、お前が必要なんだ」
「いやいやいや!」
斗和は必死に宇髄の腕から逃れようとする。
「あたしが行ったら未来変わるじゃん!」
「何をブツブツ言ってやがる?」
「大問題なの!」
宇髄は気にせず歩き続ける。
斗和は頭を抱えた。
(どうする……?)
(遊郭編が始まる)
(でも、私がいる時点で原作通りじゃない!)
そして何より――。
(実弥に何て言えばいいのよォォ!?)
斗和の絶叫が、夕暮れの空へ響き渡った。
「実弥ぃぃぃ――!!」