第4章 俺の守りたいもの…
数日後。
斗和は、縁側で一人考えていた。
実弥のこと。
あの告白。
自分が抱えている未来への不安。
それでも――。
「……好きなんだよなぁ」
ぽつりと呟く。
もう、答えは決まっていた。
「……実弥と付き合おう」
その日の夕方。
「実弥」
「あァ?」
「……あたし、実弥と付き合う」
実弥が固まった。
「……本気かァ?」
「うん」
「……後悔しねェか?」
「するかもしれない。でも、それでも実弥が好き」
実弥はしばらく黙ったあと、ふっと笑った。
「……そうかァ」
その後の任務。
二人が鬼を討伐し終えたところへ、同行していた若い一般隊士が斗和の前に立った。
「斗和さん」
「ん?」
「俺……ずっと斗和さんのことが好きでした」
斗和が目を丸くする。
「だから、もし良かったら――」
「お前」
低い声が響いた。
実弥だった。
ゆっくりと隊士へ歩み寄る。
「……誰の女に手ェ出してんだァ?」
「えっ」
隊士が青ざめる。
斗和は目を見開いた。
「ちょ、実弥!?」
「付き合ってんだよ、俺らは」
実弥は斗和の肩を抱き寄せる。
「知らなかったとはいえ、悪ィなァ」
「す、すみませんでした!」
隊士は慌てて頭を下げ、逃げるように去っていった。
「……実弥」
「何だァ」
「今の言い方……」
「……悪かった」
珍しく素直に謝る。
だが斗和は、くすっと笑った。
「ちょっと嬉しかった」
「……は?」
「誰の女って言われるの」
実弥の耳が赤くなる。
「……テメェ、そういうこと言うなァ」
「なんで?」
「……もっと抱きしめたくなるだろォ」
「もう付き合ってるんだから、いいんじゃない?」
斗和が笑う。
実弥は一瞬黙ってから、今度は誰にも邪魔されないように斗和を強く抱きしめた。
「……言ったなァ?」
「うん」
「後悔すんなよ」
「しないよ」
その答えを聞いて、実弥はようやく安心したように笑った。