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破天荒アラフォーいざ参る!【不死川実弥夢】

第1章 始まり



蝶屋敷の庭。

任務から戻った斗和は、縁側へ向かう途中で足を止めた。

「……あ」

そこには実弥とカナエがいた。

「不死川さん、最近少し無理をしていませんか?」

「……これくらい普通だァ」

「ふふ。相変わらずですね」

カナエが柔らかく笑う。

実弥はいつもの険しい顔をしているが、斗和は気づいた。

――ほんの少しだけ、表情が柔らかい。

「……」

胸の奥が、ざわついた。

カナエが実弥の傷を心配する。

実弥も、カナエの言葉には珍しく素直に耳を傾けている。

「……仲、いいんだ」

斗和は小さく呟いた。

しかも――。

「カナエさん」

実弥が名前を呼ぶ声が、妙に優しかった。

その瞬間、胸がズキッと痛む。

(……まさか)

飛和は二人を見つめる。

実弥がカナエを見る目。

そこには、普段誰にも見せないような感情が僅かに滲んでいた。

――もしかして、実弥はカナエさんのことが好きなんじゃ……。

そう思った途端、胸が苦しくなる。

「……嫌だな」

自分でも驚くほど小さな声が漏れた。

その時、カナエが飛和に気づいた。

「あら、飛和さん」

「っ!」

「そこで何をしているの?」

「いや、別に!」

慌てて近づく斗和。

「何だァ? 盗み聞きか?」

「してないって!」

実弥が怪訝そうに斗和を見る。

その隣で、カナエがふっと笑った。

「もしかして……嫉妬してる?」

「……え?」

「ふふ。違う?」

「ち、違うから!」

斗和は顔を赤くして否定する。

だが、その胸の奥には確かに嫉妬があった。

実弥がカナエを好きなのなら――。

そう考えるだけで、どうしようもなく苦しい。

まだ自分では、その感情の名前すら分からなかった。

ただ一つだけ。

実弥が誰かに向ける優しい眼差しを、自分以外の女性に向けてほしくない。

その想いだけが、胸の奥に残っていた。
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