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破天荒アラフォーいざ参る!【不死川実弥夢】

第4章 俺の守りたいもの…




翌朝。

斗和が目を覚ますと、枕元に新しい湯飲みが置かれていた。

「……?」

中には温かい茶。

その隣には、いつもの酒瓶――ではなく、水が置かれている。

「……実弥?」

廊下から声がした。

「起きたかァ」

「……これ、何?」

「水だ」

「見れば分かるよ」

「昨日あんだけ泣いて、酒飲んだら余計ぶっ倒れるだろォ」

ぶっきらぼうな声。

けれど、それ以上は何も言わない。

斗和は少しだけ目を伏せた。

「……昨日のこと」

実弥が止まる。

「無理に答えなくていい」

「……え?」

「俺が勝手に言っただけだァ」

実弥は振り返らない。

「テメェがどう思ってるか、今すぐ聞くつもりはねェ」

斗和の胸が、きゅっと締まる。

「……待ってくれるの?」

「あァ」

短い返事。

「テメェは色々抱えてんだろ。未来だの、師匠だの……俺が知らねェこともある」

実弥は少しだけ斗和を見る。

「だから、自分で決めろ」

その目には、焦らせるような色はなかった。

「俺は逃げねェ」

「……実弥」

「答えが出るまで、待ってやる」

斗和は唇を噛んだ。

嬉しい。

なのに、また涙が出そうになる。

「……ずるいなぁ」

「何がだァ」

「そんなこと言われたら……もっと好きになっちゃうじゃん」

「……」

今度は実弥が固まった。

斗和も自分で言ってから、顔が真っ赤になる。

「……今のなし!」

「無理だァ」

実弥の口元が、ほんの僅かに緩んだ。

「聞いたからなァ」

「……もう!」

斗和は布団を頭まで被った。

実弥は笑いながらも、それ以上は踏み込まなかった。

ただ静かに、そこにいた。

斗和が自分から顔を上げる、その日まで。
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