第4章 俺の守りたいもの…
「俺は、さっき言ったことを撤回する気はねェからな」
その言葉が、頭から離れない。
「…………」
斗和は布団の中で固まっていた。
心臓が、異常なほど速い。
ドクン、ドクン――。
「……待って」
胸元を押さえる。
顔が一気に熱くなる。
(実弥が……私を好き……?)
思わず布団を握りしめる。
「……いやいやいや!」
今度は一気に血の気が引いた。
(カナエさんは、もう亡くなってる)
童磨との戦いで、もうこの世にはいない。
その事実を知っているからこそ、余計に混乱する。
(じゃあ……実弥が今好きなのは、本当に私なの?)
胸が締めつけられる。
(原作では……カナエさんとの関係があったはずなのに)
「……なんで?」
声が震えた。
未来を知っていた。
だからこそ、実弥が誰を想い、誰を失うのかも知っているつもりだった。
なのに。
「あたしが入ったせいで……もう、原作通りじゃない」
顔が赤くなる。
「待って……じゃあ、この先どうなるの!?」
頭を抱える。
付き合ったら?
実弥の未来は?
自分の知っている展開は?
「…あたし、本当に実弥と付き合っていいの?」
嬉しい。
ものすごく嬉しい。
なのに怖い。
涙が滲む。
「……幸せになっていいのかな」
次の瞬間、また顔が熱くなる。
「いや待って! 付き合うって決まったわけじゃないでしょ!」
一人で赤くなり、青ざめ、泣きそうになり、また赤くなる。
「……もう、どうすればいいのよ……!」
斗和は布団に顔を埋める。
その胸の奥では、確かに――。
実弥への想いだけが、もう誤魔化せないほど大きくなっていた。