• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

破天荒アラフォーいざ参る!【不死川実弥夢】

第3章 守りたいもの…


もちろん。斗和の「毒入りの酒を飲み続ける理由」が育手から受け継いだものになるように繋げるね。

「……師匠はね」

斗和は俯いたまま、静かに口を開いた。

「あたしと同じだったんだ」

「同じ……?」

「藤の花の毒を酒で薄めて、毎日飲んでた。長年続けたせいで、師匠の血も鬼には毒になってた」

実弥の眉が動く。

「あの日も、師匠は鬼と戦ってた」

任務から戻った斗和が屋敷へ入ると、奥から激しい物音が響いた。

「師匠!」

駆け込んだ先には、血まみれの育手と鬼がいた。

「来るなァ、斗和!」

「嫌だ!」

斗和は刀を振るい、鬼の腕を斬り落とす。

だが、次の瞬間――鬼の爪が先生の腹を貫いた。

「――ッ!」

血が畳へ滴る。

鬼がその血を浴びた瞬間、皮膚が焼けるように煙を上げた。

「ぐっ……この血……!」

「師匠の血は……鬼に効くんだ……」

斗和が震えながら呟く。

師匠は苦しそうに笑った。

「だからって……真似するんじゃねェぞ」

「でも師匠は……!」

「俺はもう長くねぇ。だが、お前は違う」

師匠は血を吐きながら立ち上がる。

「生きろ。酒を飲んで、笑って……俺より強くなれ」

「そんなこと言わないでよ……!」

斗和が斬り込もうとした瞬間、鬼の爪が師匠の胸を貫いた。

「師匠ッ!」

師匠の身体が崩れ落ちる。

斗和は這うように駆け寄った。

「師匠……?」

返事はない。

最後まで握られていた刀から、ゆっくり力が抜けていく。

「……嫌だ……」

斗和は先生の身体を抱きしめた。

「置いてかないでよ……先生……」

それが、最後だった。

――だから斗和は、今も毒入りの酒を飲み続けている。

先生が遺したものを、捨てられないまま。
/ 151ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp