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破天荒アラフォーいざ参る!【不死川実弥夢】

第3章 守りたいもの…


蝶屋敷の静かな一室。

斗和は、ぼんやりと天井を見上げた。

「……ん……」

身体が重い。

頭も霞んでいる。

「……ここ、蝶屋敷か」

「気がつきましたか」

声のした方を見ると、しのぶが立っていた。

「……しのぶ?」

「ええ。随分と無茶をしましたね」

「いやぁ……ちょっと寝不足で」

「寝不足で血を失いすぎて倒れる人はいませんよ」

「……ごもっとも」

斗和が苦笑した、その時。

襖が勢いよく開いた。

「斗和!」

「……実弥?」

鬼のような顔をした実弥が入ってくる。

「テメェ……!」

「お、おう……元気そうだね」

「元気そうだねじゃねェ!」

実弥は斗和の寝台まで歩み寄ると、しばらく何も言わずに斗和を睨んだ。

「……」

「……」

「……死んだかと思った」

ぽつりと落ちた声に、斗和の表情が変わる。

「実弥……」

「傷が塞がってねェのに、血を流し続けて……挙げ句ぶっ倒れやがって」

実弥の拳が震えている。

「何でそこまで自分を削れるんだァ」

斗和は少しだけ目を伏せた。

「……守りたかったから」

「それは聞いた」

「じゃあ――」

「でもなァ!」

実弥が言葉を遮る。

「テメェが死んだら、守ったことも全部無駄になるだろォ!」

斗和は黙り込む。

しのぶが静かに二人を見つめる。

「斗和さん。今は安静にしてくださいね」

「……はい」

しのぶが部屋を出ていく。

残された二人。

斗和は小さく息を吐いた。

「……心配かけたね」

「当たり前だァ」

「ごめん」

「謝るくらいなら、次から無茶すんなァ」

「……努力する」

「努力じゃねェ」

実弥は斗和の手を握った。

まだ少し冷たい。

「……約束しろ」

斗和はその手を見つめ、ほんの少し笑った。

「……分かったよ」

その返事が、実弥にはひどく頼りなく聞こえた。

だからこそ――握った手を、離せなかった。
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