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破天荒アラフォーいざ参る!【不死川実弥夢】

第3章 守りたいもの…




「斗和!」

実弥は倒れた斗和を抱き上げると、血相を変えて周囲を振り返った。

「隠ィ! こいつを蝶屋敷へ運べェ! 今すぐだァ!」

普段の実弥からは想像もつかない切迫した声だった。

「は、はい!」

隠が慌てて斗和を受け取る。

「絶対に死なせんなァ!」

その場にいた隊士たちは息を呑んだ。

――あの不死川が、あんな顔をするなんて。

斗和が蝶屋敷へ運ばれたという話は、瞬く間に隊士たちの間へ広がっていった。

「斗和さんが倒れたらしい」

「不死川さんが付き添ってるって……」

「かなり酷い状態なんじゃ……」

噂は次々と形を変えながら広がっていく。

一方、蝶屋敷。

診察を終えたしのぶの元へ、実弥が駆け込んだ。

「胡蝶ォ! 斗和はどうなってやがる!」

「落ち着いてください」

「落ち着いてられっかァ!」

しのぶは静かに息を吐く。

「命に別状はありません。ただ……かなり酷い貧血を起こしています」

「貧血だァ?」

「はい」

しのぶは斗和の傷口を見ながら説明した。

「斗和さんは今回、自分の血に含まれる毒を利用して鬼の再生を阻害しました。その結果、普段以上に血を流しています」

「……それだけかァ?」

「問題は、その前に受けた傷です」

しのぶの表情が曇る。

「肩の傷から、まだ血が止まっていなかったんです。それなのに、さらに血を流す戦い方をした」

実弥の顔が強張る。

「つまり……」

「失った血が多すぎたんです。身体が限界を迎えて、意識を失ったのでしょう」

「……馬鹿野郎がァ」

実弥は拳を握り締める。

血に頼るほど強くなる。

だがその力は、斗和自身の命を削っていた。

「……あいつ、分かっててやってやがったのか」

「おそらく」

しのぶは淡々と答える。

「だからこそ、私は少し気になっています」

「何がだァ」

「斗和さんが、そこまでして守ろうとしているものが何なのか――です」

実弥は何も答えなかった。

ただ、眠る斗和を見つめながら思う。

――また一人で、全部背負いやがって。

その怒りと不安が、胸の奥で渦を巻いていた。
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