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破天荒アラフォーいざ参る!【不死川実弥夢】

第2章 誰も知らない秘密




「じゃあ、もう隠し通せないかもね」

斗和はそう言って、静かに酒瓶を見つめた。

「……私ね。実弥が思ってるより、ずっと前から自分の身体がおかしくなるのを知ってた」

「だったら何で黙ってやがったァ」

「怖かったから」

意外な答えに、実弥が眉を寄せる。

斗和は袖を捲った。

紫色の斑点。

震える指先。

「最初はただの藤の花の毒だった。少量なら身体に影響が出ないよう、酒で薄めて飲んでた」

「……毒を?」

「ああ」

斗和は酒瓶を軽く振る。

「毎日、少しずつ。身体が慣れてくれば、もっと強い毒にも耐えられるようになると思った」

「何のためだァ」

斗和はしばらく黙った。

そして、覚悟を決めたように口を開く。

「……未来を知ってるから」

「未来だァ?」

「私は、この先起きることを知ってる。誰が鬼に殺されるのか。どんな戦いが起きるのか……全部」

実弥の表情が険しくなる。

「だったら――」

「だから、助けたい」

斗和の声が震えた。

「知ってるのに、何もしないなんてできない。目の前で死ぬはずだった人たちを、何人でも助けたい」

酒瓶を握る手に力が入る。

「そのために、私自身が鬼にとって厄介な存在になればいいと思った」

「……藤の毒を、身体に溜め込んでやがるのかァ」

斗和は小さく頷いた。

「酒で薄めた藤の花から抽出した毒を、毎日飲んでる。少しずつ身体に馴染ませて……私の血そのものを変えてる」

実弥は言葉を失った。

「馬鹿野郎……」

「分かってる」

「分かってねェだろォ!」

実弥が酒瓶を奪い取る。

「テメェ一人が死んで、何人救えるってんだァ!」

斗和は悲しそうに笑った。

「……一人でも救えるなら、私は飲むよ?それが実弥の大事な人だったとしても同じこと言える?」

その言葉に、実弥の拳が震えた。

斗和が何を犠牲にしているのか。

ようやく、その一端を知った。
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