第8章 想い…②
翌朝。
障子の隙間から差し込む朝日が、部屋を淡く照らしていた。
「……ん……」
斗和がゆっくり目を開ける。
隣では、実弥がまだ眠っていた。
乱れた布団。枕元に転がった羽織。そして、いつもより近い距離。
斗和は昨夜のことを思い出し、頬を赤くする。
「……もう。実弥のせいだからね」
眠っている実弥の胸元に、そっと額を寄せる。
すると、
「……誰のせいだァ?」
「ひゃっ!」
実弥が目を開けていた。
「起きてたの?」
「今起きたァ……」
低い声で呟きながら、実弥は斗和の腰を引き寄せる。
「ちょ、朝から……」
「嫌かァ?」
「……嫌じゃないけど」
斗和が小さく答えると、実弥は満足そうに目を細めた。
「ならいい」
「ほんと、調子いいんだから」
斗和が笑う。
その頬に、実弥が軽く口づける。
「……昨日より顔赤ェぞ」
「言わないでよ!」
「ははァ」
珍しく楽しそうに笑う実弥。
斗和は恥ずかしそうに布団へ顔を埋めた。
「……今日は誰にも会いたくない」
「俺もだァ」
「なんで実弥まで?」
「お前が可愛すぎんだよォ」
「……っ!」
朝の静かな屋敷に、斗和の慌てた声と、実弥の小さな笑い声が響いた。