第7章 想い…
「……お前らァ」
実弥がゆっくり振り返る。
「「「はいっ!!」」」
隊士たちは一斉に背筋を伸ばした。
「今、何見てた?」
「な、何も見てません!」
「そうかァ?」
実弥が一歩近づく。
「じゃあ、何で全員そっぽ向いてんだァ?」
「それは……!」
「実弥、もういいって」
斗和がくすくす笑いながら、実弥の袖を引く。
「みんな休憩中なんだから、怒らないの」
「怒ってねェよ」
「その顔で?」
「……うるせェ」
実弥が顔を逸らす。
耳がほんのり赤い。
それに気づいた斗和が、にやりと笑った。
「もしかして実弥、恥ずかしいの?」
「違ェ」
「耳、赤いよ?」
「暑ィだけだァ」
「今日そんな暑くないけど?」
「斗和……」
低い声で名前を呼ばれ、斗和は楽しそうに笑う。
そこへ一人の隊士が斗和に駆け寄った。
「斗和さん、先ほどは本当にありがとうございました!」
「うん。無理しない程度に頑張ってね」
斗和が笑顔を向けた瞬間――
実弥の腕が斗和の肩を抱いた。
「……もういいだろォ」
「え?」
「こいつは俺と話してんだァ」
「実弥?」
「何だよ」
「……嫉妬?」
「してねェ」
即答。
だが、抱き寄せる腕は妙に強い。
隊士たちは無言で悟った。
(めちゃくちゃ嫉妬してる……)
斗和はそんな実弥を見上げ、笑った。
「はいはい。実弥の大事斗和さんですよー」
「……茶化すなァ」
それでも実弥は離さない。
「ったく……お前、誰にでも笑いかけすぎなんだよォ」
「だって隊士たちは可愛い後輩じゃん」
「俺は?」
「ん?」
「俺は……何なんだよォ」
珍しく拗ねたような声。
斗和は一瞬目を丸くし、それから柔らかく笑った。
「一番大事な人」
「……」
実弥は黙り込み、やがて小さく呟いた。
「……ならいい」
隊士たちは思った。
(俺たち、休憩中に何を見せられてるんだ……)