第7章 想い…
追加稽古が終わると、斗和が実弥の袖を引いた。
「ねぇ実弥。みんな、もう限界じゃない?」
「……まぁなァ」
「じゃあ、今日だけ休憩長めにしようよ」
「甘やかしすぎじゃねェか?」
「いいじゃん。あたしが許可したってことで」
結局、斗和の計らいで隊士たちは長めの休憩を貰えることになった。
「斗和さん、ありがとうございます……!」
「女神……」
「これで生き返れる……」
隊士たちは庭の隅でぐったりしていた。
その頃。
屋敷の陰では――。
「……さっきは散々言われたなァ」
実弥が斗和を壁際へ追い込む。
「炭治郎のせいでね」
「……ったく」
実弥が低く呟く。
「でもよォ……」
斗和の顎を軽く持ち上げる。
「お前が笑ってんの見てると、どうでもよくなる」
「……実弥」
次の瞬間。
互いに一歩踏み込み――
まるで噛み付くような勢いで唇を重ねた。
「……んっ」
短い口付け。
だが離れたと思った瞬間、また実弥が斗和を引き寄せる。
「……ちょ、実弥……」
「うるせェ」
二度目の口付け。
――その光景を。
「…………」
「…………」
「…………」
休憩中の隊士たちが、偶然見ていた。
「……見た?」
「見た……」
「俺たち、何も見てないよな?」
「見てない。絶対見てない」
全員がそっと視線を逸らす。
しかし、一人だけ。
「わぁ……!」
炭治郎が目を輝かせた。
「やっぱりお二人は――」
「「「竈門!!!」」」
隊士たちが慌てて炭治郎の口を塞ぐ。
「今度こそ絶対言うな!!」
「むぐっ!?」
その声が聞こえたのか、実弥がゆっくり振り返った。
「……お前らァ」
「「「はいっ!!」」」
隊士たちは一斉に直立した。
斗和だけが顔を赤くしながら笑っていた。