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破天荒アラフォーいざ参る!【不死川実弥夢】

第7章 想い…


夜も更けた頃――。

悲鳴嶼の屋敷。

実弥は縁側に座り、俯いたまま黙っていた。

「……悲鳴嶼の旦那」

「何だ」

「俺……斗和に酷ェこと言っちまった」

「別れる、と?」

「……ああ」

実弥が拳を握る。

「頭に血が上って、勢いで……」

その時だった。

「兄ちゃん!」

庭から聞き慣れた声が響いた。

実弥が勢いよく顔を上げる。

「……玄弥!?」

玄弥が息を切らしながら走ってくる。

「兄ちゃん、ここにいたのか!」

「テメェ……なんで来やがったァ!」

「斗和さんが心配してる!」

「……斗和が?」

玄弥は頷いた。

「ずっと屋敷で待ってる。帰ってきてないから……俺、探しに来た」

実弥は言葉を失った。

「……あいつ」

悲鳴嶼が静かに尋ねる。

「斗和は、何か言っていたのか」

「……『実弥が落ち着くまで待つ』って」

玄弥は俯いた。

「でも、たぶん……泣いてました」

実弥の表情が固まる。

「……泣いてた?」

「はい」

拳を握りしめる。

「兄ちゃんが『別れる』って言ったから……」

「…………」

実弥は顔を伏せた。

「……クソッ」

悲鳴嶼が静かに口を開く。

「不死川」

「……何だ」

「今のお主が向き合うべき相手は、弟だけではないのではないか」

実弥はしばらく黙っていた。

やがて立ち上がる。

「……玄弥」

「はい」

「帰るぞ」

「兄ちゃん……!」

「斗和と、ちゃんと話す」

玄弥がほっとしたように笑う。

悲鳴嶼は数珠を握り、静かに頷いた。

「それがよい」

実弥は玄弥と並んで歩き出す。

しかし、その足取りは重かった。

「……兄ちゃん」

「何だァ」

「ちゃんと謝ってよ」

「……分かってる」

「斗和さんにも、ちゃんと話聞いてもらって」

「……分かってるっつってんだろォ」

そう言いながらも、実弥の顔には僅かな不安が残っていた。

果たして斗和は、自分を待っていてくれるのか――。

二人は静かな夜道を、屋敷へ向かって歩いていった。
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