第15章 たくさんの人に囲まれる人生を
「なるほど……?全体的にすっごく見てるね。いつ見たのか、他にどこを見たのか知りたいけど、なんだか怖いから聞かないでおくね。
零は、私が誰かと住んだことあったら嫌だった?」
「どうしようもないことだから、嫌だと思っても変えられない。でも、たぶん妬く。しかも自分が7年前に手放したから余計に。
あのとき、もしずっと一緒にいられたら、の初めてのすべてが手に入ったかも知れないと思うと。」
「ない。それはない。あの時点で手に入らないものも多かったから大丈夫。」
「なんだ。」
「ふふっ。残念だったね。」
「いや、その方がよかった。どちらにしても同じだったなら。」
「すでに二十歳だったからね。」
「ちなみに何なら手に入っていた?」
「何もないんじゃないかなー。」
「嘘だな。」
「ナンデ?」
「顔。動揺しないように意識してる。あと『手に入らないものも多かった』と言っていたのに考えることもなく即答で『何もない』に変わった。」
「警察官こわい。
できれば心を無にして会話して…。」
「気を遣ったのか?」
「ひみつー。」
「それを言われると暴きたくなる。」
「ん?そう?じゃあ、
聞いて聞いて~!!私の遍歴!」
「全部教えて。なに?」
「同じじゃん。」
「絶対言わないからだろ。」
「零が知りたいなら何でも教えたい。
でも、聞いたら零の中に悲しい気持ちが残ると分かってるから言いたくない。」
「悲しまないから教えて。」
「言ったなー?不機嫌も無しだよ?いい?」
「わかった。言って。」
「たぶん零の想像どおりだよ。あの頃はまだだった。」
「……」
「ちょっと…黙らないで…。」
「……ごめん。」
「ご機嫌はいかが?」
「予想以上に後悔がすごい。」
「だから知らない方がいいって言ったのに…。」
「ごめん。あのとき、を手放したりしなければ、は最初から僕とだけでよかったのに。」
「……なんて?待ってね、なんか思ってたのと違う視点からの意見出てきて今ちょっと混乱してるんだけど。」
「どうせ別れる奴となんかしなくて済んだのにごめん。」
「……ん。いいよ気にしないで? って、意味わからないけどね。そっちの後悔なの?」