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ずっと前から (降谷零/R18)

第33章 指輪の存在


「どうした? 顔色が悪い……震えてる…のか?」



零の声に、ようやく自分の身体へ意識が向いた。

言われてみれば、指先が小さく震えている。

震えを止めようと、ギュッと手に力を込めて握った。

寒くはないのに、冷たくなっている指先。


これは……零はもう目を覚ましたのに、私はまだ引き摺っている?



落ち着かないと。過去じゃなく、ちゃんと今を見て。

あのときも…、零が何日も帰って来なかったときもそうだった。

考えたところで防げることじゃないし、今ある幸せを噛みしめて生きようって決めたはず。



「……ごめんね。なんでもないよ。こんなときなのに考え事しちゃった。」

「なんでもないようには、とても見えない。」


優しい声。穏やかで、責めるような響きは少しもない。


だけど、今さら口にしてしても仕方ない。


「ふふっ。また、いい雰囲気をぶち壊しちゃった?」

「…、僕の前でまで、無理して笑おうとしないでくれ。偽らない君のままで…いてほしい。」



どこまでも優しい人。私が苦しかったことも、一緒に背負おうとしてくれるんだね。


私は膝の上でぎゅっと手を握り、下を向いた。


「指輪を見ると、零が目覚めない間のことを思い出しちゃう……」





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