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ずっと前から (降谷零/R18)

第33章 指輪の存在


受け取ってから二ヶ月以上、外箱から出すことも、蓋をあけて中を見ることも、指輪を手に取ることもできず、ただ一人で外箱を眺めていただけの結婚指輪。


このまま目を覚まさないかもしれない。
そんな不安が毎日のように私を襲った。


せっかく手に入れた幸せを、やっと一緒になれた零を、もう、失ってしまったと思った。


諦めていないつもりだったけれど、何度も何度も、零との幸せな時間を思い出しては、
たった数ヶ月間のその思い出のみで、私の一生分の幸せとして大切にしようと自分に言い聞かせてきた。


プロポーズの日のことも、一緒に見た夜空のことも、温泉や海に行ったことも、大切に思い出しては、大きな愛で包んでくれて心から幸せだったと、零に感謝して毎日を過ごした。


もはや、亡くなった人に思いを馳せているようなものだった。

赤井さんから『まるでもう死んだかのような口ぶりだな』と言われたのは、まさにその通りだった……








「……、──……?、…?」



「えっ、え?」



考え込みすぎてしまっていたようで、呼ばれていたことに気付かなかった。


パッと意識を向けると、零が心配そうに私を見ていた。





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