【ごちゃまぜ】SHORT STORY【ヒロアカ】【鬼滅の刃】
第3章 命短し恋せよ乙女!【 天喰環 】
***
放課後。
は、いつものように環の隣を歩いていた。
「先輩」
「……なに?」
「好きです」
「うん」
「好きです」
「知ってる」
「大好きです」
「……ありがとう」
もう、お決まりの流れだった。
最近の環は、逃げなくなった。
相変わらず顔は赤くなるけれど、ちゃんと返事をしてくれる。
それだけでも、は幸せだった。
けれど。
――ほんの少しだけ。
本当に、少しだけ。
欲張りになっていた。
「…………」
が足を止める。
隣を歩いていた環が振り返った。
「……?」
「あの、先輩」
「うん」
「私のこと、好きですか?」
「…………」
環が固まった。
完全停止。
はそんな反応にも、もう慣れている。
いつもなら、ここで笑って終わらせるところだった。
でも今日は、引かなかった。
「聞きたいです」
「…………」
「だめですか?」
環は目を逸らした。
耳が赤い。
ものすごく赤い。
「……その」
「はい」
「『好き』って……」
「うん」
「簡単に言えない……」
の表情が、ほんの少しだけ曇った。
「……そっか」
無理もない。
自分みたいに、毎日何度も「好き」と言える人じゃない。
分かっている。
ちゃんと分かっている。
それでも。
少しだけ、寂しかった。
「ごめんなさい」
は小さく笑おうとする。
「変なこと聞いちゃって」
「…………」
「じゃあ、帰りましょう!」
「でも」
「え?」
環の声が、背中から追いかけてきた。
「……が来ると」
が振り返る。
「嬉しい」
「…………」
「毎日会いに来てくれて」
環は視線を落としたまま続ける。
「好きですって言われるのも……」
「…………」
「嫌じゃないどころか」
困ったように、ほんの少しだけ笑った。
「……楽しみにしてる」
胸の奥が、ぎゅっと熱くなる。
は黙って環を見つめていた。
環は少しだけ息を吸う。
そして。