【ごちゃまぜ】SHORT STORY【ヒロアカ】【鬼滅の刃】
第3章 命短し恋せよ乙女!【 天喰環 】
「ど、どうしたの……?」
「見てください!」
が差し出したのは、一枚のテスト用紙だった。
「英語、九十三点!」
「……すごい」
「でしょ!?」
満面の笑み。
褒めてもらえるのが嬉しくて仕方ないらしい。
その顔を見ているうちに、環の口元も自然と緩んだ。
「頑張ったんだね」
「…………」
ぴたり。
が固まった。
「……?」
「今の」
「え?」
「もう一回言ってください」
「え……」
「『頑張ったんだね』って」
「な、なんで……」
「もう一回聞きたいです!」
環は戸惑いながらも、もう一度口にした。
「……頑張ったんだね」
「…………」
数秒の沈黙。
そして。
「好き」
「!?」
環の顔が一瞬で赤くなる。
はにこにこと笑った。
「もう、先輩すぐ赤くなるー!」
環は困ったように顔を逸らした。
けれど。
その表情は、以前ほど困り果ててはいなかった。
***
昼休み。
環は食堂で一人、昼食を取っていた。
すると。
「先輩!」
「わっ」
向かいの席に、が座った。
「一緒に食べてもいいですか?」
「う、うん」
周りには空いている席がいくつもある。
それなのに、は当然のように環の向かいに座った。
「今日も好きです!」
「……ありがとう」
もう、反射だった。
は嬉しそうに笑う。
そして。
ふいに頬杖をついた。
「…………」
「な、なに?」
じっと環を見る。
「先輩って、本当にかっこいいなぁって」
「っ」
「顔も好きだし、声も好きだし、優しいところも好き」
「…………」
環の動きが止まる。
いつもと同じ「好き」なのに。
今日は、なぜか違って聞こえた。
は騒ぐでもなく、からかうでもなく。
ただ穏やかに笑っている。
「私、本当に先輩のこと好きなんですよ」
どくん。
心臓が、大きく鳴った。
環は思わず視線を逸らす。
胸が熱い。
顔も熱い。
「……先輩?」
「……見ないで」
「え?」
「そんな顔で見ないで……」
耳まで真っ赤だった。