【ごちゃまぜ】SHORT STORY【ヒロアカ】【鬼滅の刃】
第3章 命短し恋せよ乙女!【 天喰環 】
そして――
「あの、天喰先輩」
「?」
「好きです!」
「…………」
気付けば、口から出ていた。
「先輩のことが好きです!」
「ぶっ」
すぐ近くにいたミリオが盛大に吹き出した。
「すごい子来ちゃったねぇ、環!」
「…………」
環は完全に固まった。
顔が、みるみる赤くなっていく。
「………え」
「好きです!」
「え?」
「すごく好きです!」
「えっ……」
耳まで真っ赤になる。
どうしていいのか分からない。
視線を泳がせ、手を所在なさげに握ったり開いたりする。
そんな環を前にしても、はいたって真剣だった。
「先輩、かっこいいし、優しいし、好きです!」
「そ、そう……」
「好きです!」
「わ、分かった……」
環はなんとか返事をする。
だが――
全然分かっていない顔だった。
「…………」
「…………」
二人の間に、微妙な沈黙が落ちる。
環は困り果てたように俯き。
はそんな環を嬉しそうに見つめている。
その横で、ミリオが肩を震わせていた。
「環」
「……なに」
「よかったじゃん」
「…………何が?」
「こんな可愛い子に好きって言ってもらえて」
「…………」
環の顔が、さらに赤くなる。
そしては――
「じゃあ、また明日来ますね!」
「………え?」
にこっと笑った。
環の思考が、また止まる。
――明日も来るの……?
そんな疑問を抱えたまま。
は、満足そうに3年生の教室を後にした。
残された環は、しばらく入口を見つめたまま動かなかった。
「…………」
ミリオが、ぽん、とその肩を叩く。
「環」
「………うん」
「明日も来るって」
「………うん」
環は小さく頷いた。
けれど。
自分が明日、どうすればいいのかは――まったく分からなかった。