【ごちゃまぜ】SHORT STORY【ヒロアカ】【鬼滅の刃】
第2章 8月のカタストロフィ【 煉獄杏寿郎 】
世界が殺そうとしているのが、二人でいる未来なのだとしたら。
誰かが犠牲にならなければ、この永久に続く地獄の8月8日を終わらせられないのだとしたら。
死ぬべきなのは、煉獄先生じゃない。
私だ。
「……?」
異様な気配を察したのか、煉獄が不思議そうにこちらを振り向く。
は、涙に濡れた顔で――今までで一番綺麗に笑ってみせた。
「これで……やっと、先生を助けられる」
「――何?」
思考が追いついていない煉獄の体を、は歩道側へと思い切り突き飛ばした。
「っ、―――!!」
驚愕に目を剥いた煉獄が、必死に手を伸ばしてくる。
けれど――もう届かない。
「先生」
振り返った視界の全てを、巨大な車体が覆い尽くしていく。
迫り来る死の恐怖すら、先生を救えたという嬉しさが塗り潰していく。
「ずっと……愛してくれて、ありがとうございました」
ガシャァァァァンッ!!
凄まじい衝撃が全身を粉砕した。
世界が激しく回転する。
夕焼けの赤と、自分の血の赤が混ざり合っていく。
蝉の声が、遠く、遠くへ離れていく。
車道に投げ出されたの視界の端で。
膝から崩れ落ち、自分の名前を叫んでいる煉獄の姿が見えた。
(ああ……先生……泣かないで……)
冷たくなっていく身体を抱きしめるように、の意識は深い深い闇の底へと落ちていった。