【ごちゃまぜ】SHORT STORY【ヒロアカ】【鬼滅の刃】
第2章 8月のカタストロフィ【 煉獄杏寿郎 】
「先生……」
「どうした?」
「……今日は、いつもと違う道から帰りませんか?」
「うむ!構わんぞ!」
ルートを変えれば、あの交差点には行かない。
あんなトラックにも遭遇しない。
これなら絶対、大丈夫。
はそう信じて、煉獄の手を固く握りしめた。
――その直後だった。
ガラガラガラガラッ!!
不吉な金属音とともに、頭上から影が落ちてくる。
ビルの建設現場から解体中の巨大な鉄骨が、歪んだ悲鳴を上げて崩落してきたのだ。
「危ない!!」
「え――?」
視界が影に覆われた瞬間、猛烈な力で横へと弾き飛ばされた。
ズドォォォンッ!!
地響きのような轟音。
巻き上がる砂埃。
激しい衝撃に尻餅をつき、は咳き込みながら顔を上げた。
「せん……せ……?」
砂埃が薄れた先にあったのは。
巨大な鉄骨の束と、その下に潰された――見慣れた上着の姿。
ぐにゃりと歪んだ鉄の隙間から、ドクドクとあふれ出していく黒ずんだ赤。
さっき握っていた温かい手が、瓦礫の外に投げ出され、ピクリとも動かない。
ヒッ、と息が詰まる。
夢じゃない。
ただの悪夢なんかじゃない。
私は――
「……同じ日を、繰り返してる……?」
青ざめた唇からこぼれた言葉は、嘲笑うような蝉時雨の中に消えていった。